薪ストーブの暖かさと炎の美しさに憧れ、薪ストーブの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、薪ストーブは初期費用だけでなく薪の調達やメンテナンスなど、継続的な手間とコストがかかるのも事実です。
「せっかく購入したのに、思ったように使えない…」
そんな後悔をしないためには、事前の情報収集と準備が欠かせません。
この記事では、薪ストーブの購入でありがちな後悔の原因を深く掘り下げ、その対策となる具体的なコツを薪のプロの視点から詳しく解説します。
さらに、薪ストーブ選びのポイントや価格相場、おすすめ商品もご紹介。
この記事を読めば、あなたにぴったりの薪ストーブを見つけ、後悔のない快適な冬を過ごすことができるでしょう。
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▼「焚き火や薪ストーブに最適な薪が欲しい」という方におすすめ!
薪ストーブを買って後悔する理由
薪ストーブを買って後悔する理由は、以下の通りです。
それぞれについて解説します。
- 理由①|薪の調達が間に合わない
- 理由②|メンテナンスが大変
- 理由③|暖かくなるまでに時間がかかる
- 理由④|煙や匂いで近所からクレームがくる
理由①|薪の調達が間に合わない
薪ストーブを使うには、当然ですが薪が必要です。
しかし、薪の調達は簡単ではありません。
例えば以下のように、薪の入手が困難な場合もあります。
- 近所に薪を販売している場所がない
- 都市部では、薪を販売しているお店が少ない場合があります。
- 自分で薪割りをするのが大変
- 薪割りは体力が必要な作業です。
- 特に、女性や高齢者にとっては負担が大きいでしょう。
- 薪の保管場所がない
- 薪は、雨や湿気に弱いので、適切な保管場所が必要です。
- マンション住まいなど、保管場所の確保が難しい場合もあります。
一般的に、朝から夜まで暖炉や薪ストーブを燃やし(8〜10時間)、就寝時に燃えついている状態にするためには1日で25kgの薪が必要です。
毎年11月から3月までの5か月間、暖炉や薪ストーブを燃やす場合1年に約4トンの薪が必要になります。
事前に計画的に準備しないと、冬の寒い時期に薪が不足してしまったり、薪の量が多くて保管場所が足りない問題が発生してしまいます。
▼「薪ストーブに最適な薪の種類を知りたい!」という方はこちら。
▼「薪置場はどういうものを準備するのが良い?」という方はこちら。
理由②|メンテナンスが大変
薪ストーブは、定期的に炉床や煙突の掃除が必要です。
適切なメンテナンスをしていないと煙突の中にススがたまって、燃焼効率の低下や煙の逆流、不完全燃焼、火災の危険などが発生してしまいます。
最低でも年に1回は煙突掃除が必要で、専門業者に頼まずに自分でやると大変です。
適切なメンテナンスをしていないと煙突の中にススがたまり、燃焼効率の低下や煙の逆流、不完全燃焼、火災の危険などが発生してしまいます。
▼「そもそも薪ストーブの煙突の役割は何?」という方はこちら。
理由③|暖かくなるまでに時間がかかる
薪ストーブはしっかり燃焼すればとても暖かくなるのですが、冷えた薪ストーブに火を入れてから炎が大きくなるまで時間がかかります。
特に、起床後や帰宅後に火を入れるときなどは、スイッチを入れたらすぐ暖かくなるエアコンと比べると焚き付けが面倒に感じることもあります。
理由④|煙や匂いで近所からクレームがきた
完全に乾燥していない薪やヤニが多い薪を燃やすと、白い煙と焦げ臭いような匂いが多く出るため、煙突を通して近所に広がってしまうことがあります。
薪ストーブを導入するとしたら戸建て住宅のはずなので、ご近所さんと問題はあまり起こしたくないですよね・・・
薪ストーブを買って後悔しないコツ
薪ストーブを買って後悔しないコツを紹介します!
- コツ①|薪の調達ルートを確保する
- コツ②|薪の保管場所を確保する
- コツ③|メンテナンスを業者に頼む
- コツ④|しっかり乾燥した広葉樹の薪を使う
- コツ⑤|二次燃焼の薪ストーブを使う
コツ①|薪の調達ルートを確保する
薪置場のスペースが狭い場合は定期便で、薪置場のスペースが広い場合は一度に大量の薪を入手できるルートを確保しましょう!
薪は主に薪ストーブのお店やホームセンター、インターネットの通販などでも手に入ります。
▼火持ちする質の高い薪をお探しならこちらがおすすめです。
コツ②|薪の保管場所を確保する
使用する薪の量に基づいて、適切な容量の薪置き場を選ぶ必要があります。
広葉樹薪24kg(3束分)で冬1日分の量で、毎日薪ストーブを使う場合に4ヶ月分の薪は3t(広葉樹薪370束分)です。
例えばFIRESIDEのログラック大を使う場合、1台あたり60束保管できるので4か月分であれば6台分のボリュームになります。
画像引用元: 楽天市場
▼「他の薪棚や薪ラックのおすすめを知りたい!」という方はこちら▼
コツ③|メンテナンスを業者に頼む
煙突掃除は自分でやろうとすると、むずかしくて大変なので専門業者に頼むのがおすすめです。
専門業者に頼んだ場合のメンテナンス費用は合計4~7万円かかり、内訳は下記の通りです。
- 薪ストーブ本体の清掃料金:2~3万円
- 煙突掃除:2~4万円
使用頻度などによって異なりますが、最低でも1年に1回、春から秋のオフシーズンの間に行いましょう。
▼「薪ストーブ自体にかかる費用を知りたい!」という方はこちら▼
▼「そもそも煙突の役割について知りたい!」という方はこちら▼
コツ④|熾火を活用して早く暖める
起床後や帰宅後に熾火が残るように計画的に薪ストーブを使うことで、早く暖めることができます。
熾火が残っている場所に薪を投入するだけで、炎があがることもあります。
薪を投入して炎があがってから大体1時間ほどで、炎が落ち着き熾火の状態になります。
そのため、就寝前や外出する1時間前には薪を投入するのをやめましょう。
炎が落ち着いたら、薪ストーブ内に空気を取り込まないように調整し、熾火を一箇所に集めておくことで最長で6時間ほどは熾火が残ります。
▼「熾火って何?」という方はこちら▼
▼「さらに効率よく部屋を暖めるグッズがあれば知りたい!」という方はこちら。
コツ⑤|しっかり乾燥した広葉樹の薪を使う
しっかり乾燥した広葉樹の薪を使うことで、煙や匂いを減らすことができます。
そもそも煙が発生する理由は、水分が残っていたり比重(体積に対する重さ)が低い針葉樹の薪を使うと、十分に熱を高められず不完全燃焼が起きることにより、ガスと酸素がうまく結びつかずに冷えて液体または固体となり、その小さな粒子が空気中に見えるようになるからです。
▼「広葉樹の薪の樹種について詳しく知りたい!」という方はこちら▼
コツ⑥|二次燃焼の薪ストーブを使う
二次燃焼の薪ストーブを使うことで、煙や匂いを減らすことができます。
二次燃焼とは一次燃焼で発生した可燃ガス(煙)を再度燃焼させることです。
自宅用薪ストーブには二次燃焼の方式として3種類あり、それぞれに特徴があります。
- 触媒方式
- 触媒(フィルターのようなもの)を通すことにより、残りの可燃ガスを燃焼させる
- 非触媒方式
- 空気の取入口を複数確保することにより、残りの可燃ガスを燃焼させる
- 触媒方式と非触媒方式の組み合わせ
▼「二次燃焼の薪ストーブのおすすめを知りたい!」という方はこちら▼
買ってはいけない薪ストーブの特徴
薪ストーブ選びを失敗しないために、「買ってはいけない薪ストーブの特徴」を3つ紹介します。
- 特徴①|サイズが合わない薪ストーブ
- 特徴②|燃焼効率が悪い薪ストーブ
- 特徴③|煙突の長さが短い薪ストーブ
特徴①|サイズが合わない薪ストーブ
薪ストーブのサイズは、設置する部屋の広さに合わせて選ぶ必要があります。
小さすぎる薪ストーブでは十分に部屋を暖めることができず、大きすぎる薪ストーブでは部屋が暑くなりすぎてしまいます。
▼「狭い部屋に使える薪ストーブがあるか知りたい!」という方はこちら。
特徴②|燃焼効率が悪い薪ストーブ
燃焼効率が悪い薪ストーブは、薪の消費量が多くなり経済的ではありません。
また、煙や煤が多く発生しメンテナンスの手間も増えます。
▼「燃焼効率の高い薪ストーブについて詳しく知りたい」という方はこちら。
▼「さらに効率よく部屋を暖める方法を知りたい!」という方はこちら。
特徴③|煙突の長さが短い薪ストーブ
煙突の長さが短い薪ストーブは、ドラフト効果(煙突効果)が弱く、煙が逆流したり燃焼効率が低下したりする可能性があります。
▼「薪ストーブの煙突効果って何?」という方はこちら。
薪ストーブの価格相場
薪ストーブの価格相場は以下です。それぞれの特徴について解説します。
- 低価格帯の薪ストーブ:10〜50万円
- 高価格帯の薪ストーブ:50〜100万円
価格相場①|低価格帯の薪ストーブ
低価格帯の薪ストーブの価格は、10~50万円です。
鋼板製で、シンプルなデザインが多いです。
鋼板製は鉄板を加工して成型したもので、温まりやすく消火後は冷めやすいのが特徴です。
着火から安定燃焼までが早く、速暖性に優れているので、すぐに部屋を暖めたい人や短時間使用に適しています。
また、急な熱変化に強いので、いろんな燃料を使用したい方にもおすすめです。
暖房面積が30坪以下の小さいサイズであれば、ダッチウエストやモルソーといった有名メーカーの薪ストーブを購入できます。
価格相場②|高価格帯の薪ストーブ
高価格帯の薪ストーブの価格は、50~100万円です。
鋳物で、凝ったデザインが多いです。
鋳物製は金属を溶かして型に流し込んで成型したもので、熱しにくく冷めにくいのが特徴です。
主暖房として長時間使用される方におすすめで、耐久性やデザイン性を重視するなら鋳物製を選ぶとよいでしょう。
暖房面積が30坪以上の大きいサイズであっても、海外の有名メーカーの薪ストーブを購入できます。
▼おすすめの薪ストーブについては、二次燃焼の自宅用薪ストーブとは|選ぶメリットやプロが選ぶおすすめ5選を紹介。をご覧ください。
自宅用薪ストーブのおすすめ5選
自宅用薪ストーブのおすすめ製品は下記5つです。それぞれについて解説します。
- おすすめ①|ドブレ 640WD
- おすすめ②|ヨツール F400
- おすすめ③|ダッチウエスト FA225
- おすすめ④|モルソー 1126CB
- おすすめ⑤|ホンマ製作所 HTC-60TX
おすすめ①|ドブレ 640WD
ドブレ 640WDは「薪ストーブの代名詞」とまで言われた640CB、760CBに最新の技術と世界中からの要望を取り入れ誕生した後継機です。
また、火力の調整はレバー1本のみとなり初心者でも簡単に操作しやすいです。
最大薪長 | 45cm |
暖房面積 | 最大72.9m2 |
最大熱出力 | 9,460kcal |
サイズ | 660 × D 565 × H 760 mm |
重さ | 170kg |
煙突径 | φ150mm |
燃焼方法 | 2次燃焼式(クリーンバーン) |
放熱方式 | 輻射熱式 |
燃焼効率 | 80% |
材質 | 鋳物 |
おすすめ②|ヨツール F400
ヨツール F400は複雑な操作がないシンプルな造りのため、誰もが使いやすい定番ストーブです。
炉内でのオーブン料理は可能ですが、熱伝導が良くないため天板での調理は不向きです。
最大薪長 | 30~50cm |
暖房面積 | 〜約144m²(70畳) |
最大熱出力 | 10Kw(8,600kcal/h) |
サイズ | W653×H727×D605㎜ |
重さ | 約158kg |
煙突径 | 150(mm) |
燃焼方法 | 2次燃焼式 |
放熱方式 | 輻射熱式 |
燃焼効率 | – |
材質 | 鋳物 |
おすすめ③|ダッチウエスト FA225
ダッチウエスト FA225は小石で打ったような表面により表面積が40%アップしており、さらにストーブ内壁との二重構造によって放熱面積を58%高め、通常の約2倍の放熱性があります。
最大薪長 | 48cm |
暖房面積 | 平均65~126m2 |
最大熱出力 | 8800kcal |
サイズ | W560mm×H745mm×D590mm |
重さ | 172kg |
煙突径 | φ152mm |
燃焼方法 | 2次燃焼式(キャタリティックコンバスター) 3次燃焼式(トリパワー) |
放熱方式 | 対流・輻射複合式 |
燃焼効率 | 75.3% |
材質 | 鋳物 |
おすすめ④|モルソー 1126CB
モルソー 1126CBは発売後すでに四半世紀の歳月が経過しますが、その人気は今でも衰えることはなく、優れた意匠性と高性能のおかげで高い需要を持ち続けているストーブです。
最大薪長 | 36cm |
暖房面積 | 平均75-150m2 |
最大熱出力 | 7,740kcal |
サイズ | W570 H860 D560 |
重さ | 140kg |
煙突径 | φ155mm |
燃焼方法 | 2次燃焼式(クリーンバーン) |
放熱方式 | 対流熱式 |
燃焼効率 | 80.7% |
材質 | 鋳鉄 |
おすすめ⑤|ホンマ製作所 HTC-60TX
HONMA HTC-60TXは、美しい仕上げと高い気密性を持つHONMA鋳物製薪ストーブの高級モデルです。
デザイナーによる特徴的で洗練されたスタイルは洋室・和室を問わず空間を引き立て、使いやすいコンパクトサイズです。
最大薪長 | 40cm |
暖房面積 | 40~50坪 |
最大熱出力 | 14000kcal |
サイズ | W583×D483×H634mm |
重さ | 130kg |
煙突径 | φ150mm |
燃焼方法 | 2次燃焼式 |
放熱方式 | 輻射式 |
燃焼効率 | – |
材質 | 鋳物 |
まとめ
薪ストーブは、暖かさだけでなく炎の癒しや料理の楽しみなど、多くの魅力があります。
しかし、購入前にしっかりと準備や検討をしないと、後悔してしまう可能性もあります。
今回ご紹介した内容を参考に、あなたにぴったりの薪ストーブを見つけて快適な冬を過ごしてください。
もし、薪ストーブに使用する薪の購入を検討されている場合はこちらがおすすめです。
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