【薪のプロが解説】薪の種類とその選び方について

薪の知識

薪を買いにいった時、色々な種類があり困ったことはありませんか?

薪には大きく以下の2種類があり、これらをうまく使い分けるのがおすすめです。

  • 針葉樹
    • 油分を含むので火付きがよく、大きな炎があがります。
  • 広葉樹
    • 針葉樹に比べると油分が少ないので火付きは悪く、穏やかな炎があがります。

それ以外にも、太さ長さ乾燥度を基準にして選べば、より一層焚き火や薪ストーブを楽しむことができます!

  • 太さ
    • 火付けには細い薪を、その後に太い薪に火を移していきましょう。
  • 長さ
    • 焚き火台や薪ストーブのサイズに合わせましょう。
    • 30cmが基本サイズですが、ソロ用のサイズは短めの薪が必要なので注意です。
  • 乾燥度
    • 乾燥してないと、煙が出たり爆ぜたりする危険性があります。
    • 持ったときにヒンヤリせず、薪同士をたたくと軽い音がするものを選びましょう!
この記事で把握できること
  • 広葉樹と針葉樹の薪の違い
  • 薪を選ぶポイント

薪は大きく2種類

薪は、大きく下記の2種類があります。それぞれの特徴について解説します。

  • 種類①|針葉樹
  • 種類②|広葉樹

▼薪を自分で一から作りたい場合は、簡単な薪の作り方と準備すべきものやかかる時間について徹底解説。をご覧ください。

種類①|針葉樹

針葉樹とは、葉が針のように細長く空に向かってまっすぐ育つ樹木のことです。

針葉樹の薪は、油分を含むので火付きがよく、大きな炎があがります。

しかし、比重(水を1とした場合の、同じ体積に対する重さ)が小さいため、燃焼時間は短いです。

そのため、焚き火や薪ストーブを短時間で楽しみたい場合や、長時間で楽しみたい場合の最初の火付けに最適です。

【針葉樹】利点と欠点
  • 利点
    • 火付きが良い
    • 柔らかいので割りやすい
    • 値段が安い
  • 欠点
    • 燃焼時間が短い

種類②|広葉樹

広葉樹とは、葉が広く平たい樹木のことです。

広葉樹の薪は、針葉樹に比べると油分が少ないので火付きは悪く、穏やかな炎があがります。

しかし、比重(水を1とした場合の、同じ体積に対する重さ)が大きいため、一度火がつくと、燃焼時間が長く、熱を長時間保持することができます。

そのため、焚き火や薪ストーブを長時間楽しみたい場合や、熾火(おきび。炎が落ち着いた後の炭のような状態)で料理を楽しみたい場合に最適です。

【広葉樹】利点と欠点
  • 利点
    • 燃焼時間が長い
  • 欠点
    • 火付きが針葉樹に比べて悪い
    • 硬いので割りにくい
    • 値段が高い

薪を選ぶポイント

薪を選ぶポイントは下記4点です。それぞれについて詳しく解説します。

  • ポイント①|薪の樹種で選ぶ
  • ポイント②|薪の太さで選ぶ
  • ポイント③|薪の長さで選ぶ
  • ポイント④|薪の乾燥度を選ぶ

ポイント①|薪の樹種で選ぶ

焚き火や薪ストーブを短時間楽しみたい場合は針葉樹がおすすめです。

火が消えるのが早いので後片付けが楽です。

長時間楽しみたい場合は、火付けには針葉樹を使い、その後は燃焼時間が長い広葉樹がおすすめです。

下記に、針葉樹と広葉樹それぞれのおすすめの樹種を紹介します。

【針葉樹】おすすめ樹種
火付き火持ち香り比重
スギ0.38
ヒノキ0.41
マツ0.52
  • スギ
    • 軽く柔らかいため、斧や鉈で薪が割りやすく持ち運びしやすいです。
  • ヒノキ
    • 檜風呂などでも知られる高級建築材で、香りがとても良いです。
  • マツ
    • 油分(マツヤニと呼ばれる)を多く含むため、針葉樹の中でも特に火付きが良いです。
    • 薪ストーブで使用する場合は、油分が煙突に堆積しやすいので注意です。
【広葉樹】おすすめ樹種
火付き火持ち香り比重
カシ0.83
クヌギ0.82
ナラ0.68
  • カシ
    • 非常に硬いため薪割りが大変ですが、その分火持ちがよいです。
    • 「薪の王様」と呼ばれています。
  • クヌギ
    • 非常に密度が高く、硬く火持ちがよいのが特徴です。
    • 「最高級の薪」と呼ばれています。
  • ナラ
    • どんぐりの木でお馴染みの木で、カシ・クヌギに比べて手に入りやすいです。

なお、処理されていない天然木を選ぶことが基本です。

塗料や化学物質が含まれる木材は、有害な煙やガスを放出する可能性があるため避けましょう。

また、薪として使ってはいけない樹種もあるので覚えておきましょう。

  • キョウチクトウ
    • 木自体と、燃やした際の煙に毒性があります。
  • ユズリハ
    • 木自体に毒性があります。

ポイント②|薪の太さで選ぶ

細い薪(直径5cm以下)は、燃焼時間は短いですが、空気が取り込みやすいので火付けのときに最適です。

太い薪(直径10cm以上)は、一度火がつくと長時間燃え続けるため、持続的に熱を供給したいときに最適です。

最初から、細い薪と太い薪を購入するか、太い薪だけを買って斧で割りましょう。

  • 細い薪(直径5cm以下)
    • 火付けのときに
  • 太い薪(直径10cm以上)
    • 持続的に燃やしたいときに

▼薪割りのしかたは、薪割りはどうすればいい?斧やクサビの使い方も含めて解説。をご覧ください。

ポイント③|薪の長さで選ぶ

引用元:スノーピーク(snow peak) 焚火台

焚き火台や薪ストーブのサイズにおさまる長さで選びましょう。

30cmが基本サイズですが、ソロ用の焚き火台を使う場合は長すぎることもあるので注意しましょう。

ポイント④|薪の乾燥度で選ぶ

しっかり乾燥された薪を使いましょう。

乾燥していない薪を使うと、水分を蒸発させるためにエネルギーを使ってしまうので燃焼効率が悪く、煙が出たり爆ぜたりする原因になります。

乾燥しているかのチェックポイントは以下です。

  • 持ったときにヒンヤリしないか
  • 薪同士をたたいたときに軽い音がするか

しっかり乾燥度を測りたい場合は、含水計を使うのもおすすめです。

引用元:ファイヤーサイド デジタル含水率計

乾燥が不十分な場合は、焚き火台にたてかけると早く乾燥が進みます。

▼自宅で薪を乾燥させる場合は、薪置き場に最適な薪棚・薪ラックのおすすめ5選を薪の専門家が紹介をご覧ください。

まとめ

薪には大きく以下の2種類があり、これらをうまく使い分けるのがおすすめです。

  • 針葉樹
    • 油分を含むので火付きがよく、大きな炎があがります。
  • 広葉樹
    • 針葉樹に比べると油分が少ないので火付きは悪く、穏やかな炎があがります。

焚き火や薪ストーブを短時間楽しみたい場合は針葉樹がおすすめです。

長時間楽しみたい場合は、火付けには針葉樹を使い、その後は燃焼時間が長い広葉樹がおすすめです。

それ以外にも、太さ長さ乾燥度を基準にして選べば、より一層焚き火や薪ストーブを楽しむことができます!

  • 太さ
    • 火付けには細い薪を、その後に太い薪に火を移していきましょう。
  • 長さ
    • 焚き火台や薪ストーブのサイズに合わせましょう。
    • 30cmが基本サイズですが、ソロ用のサイズは短めの薪が必要なので注意です。
  • 乾燥度
    • 乾燥してないと、煙が出たり爆ぜたりする危険性があります。
    • 持ったときにヒンヤリせず、薪同士をたたくと軽い音がするものを選びましょう!

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