【割れない方必見】正しい鉈(ナタ)の使い方やコツを薪の専門家が解説。

薪の作り方

薪割りの道具として、斧だけでなく鉈(ナタ)という選択肢もあるの知ってますか?

ナタとは、片手での使用を想定されており斧・手斧よりも刃が薄く刃渡りが長いもののことです。

ただ、ナタを使う場面や使い方がわからず手を出せない方が多いのではないでしょうか。

ナタは細い薪を割るのに適しており、以下の手順で簡単に薪を割ることができます。

  • STEP①|服装の準備
  • STEP②|安定した薪割り台の用意
  • STEP③|薪割り台に薪を立て、薪の上にナタを添える
  • STEP④|ナタの背を太めの薪でたたく

そこで、この記事ではナタを選ぶポイントや使い方について解説します。

この記事で把握できること
  • 鉈(ナタ)とは何か
  • ナタを選ぶポイント
  • ナタを使った薪割りの流れ、コツ

▼ナタ以外の方法は薪割りはどうすればいい?斧やクサビの使い方も含めて解説。をご覧ください。

鉈(ナタ)とは?

引用元:ファイヤーサイド 小割腰鉈 / サクラ

ナタとは、片手での使用を想定されており斧・手斧よりも刃が薄く刃渡りが長いものです。

ナタを使うのに適しているシーン
  • 直径20cm以下の細い薪を割るとき
  • 薪の樹皮をはがすとき
  • 枝打ち(木の枝を幹から切り落とすこと)をするとき
  • 木を削るとき
  • 雑草を切り払うとき

鉈(ナタ)を選ぶポイント

ナタを選ぶポイントは4つあります。それぞれについて解説していきます。

  • 選ぶポイント①|刃全体の形状
  • 選ぶポイント②|刃が付く面
  • 選ぶポイント③|刃渡りの長さ
  • 選ぶポイント④|重量
  • 選ぶポイント⑤|柄の形状

選ぶポイント①|刃全体の形状

ナタには、刃全体の形状について2種類あります。

薪割りに特化する場合腰ナタ幅広い用途に使いたい場合剣ナタがおすすめです。

  • 腰ナタ
    • 刃が長方形
    • 重みがあり薪を割りやすい
  • 剣ナタ
    • 刃の先端が尖っている
    • 薪を割る以外にも、調理・木工・ロープの切断等にも使いやすい

選ぶポイント②|刃が付く面

刃が付く面について2種類あります。初心者の方は両刀タイプ一択です!

  • 両刀タイプ
    • 右左面の両方に刃が付いている
    • 薪を割りやすい
    • 右利き・左利きを問わずに使いやすい
  • 片刀タイプ
    • 片面にのみ刃がついている
    • 細かい作業をする際に便利だが、刃の使い方にはコツがいるので上級者向け
    • 利き手によって使い分ける必要がある

選ぶポイント③|刃渡りの長さ

おすすめの刃渡りの長さは、標準サイズの150mm~180mmです。

刃渡りが長い(180mm以上)ほうが薪割りしやすいですが、重くなり収納しにくくなるので持ち運びには不便です。

一方、刃渡りが短い(150mm以下)と薪割りしにくいです。

刃渡りが長い刃渡りが短い
薪割りのしやすさ
持ち運びしやすさ

選ぶポイント④|重量

おすすめの重量は、約500g~600gです。

木を割る時は力ではなくナタの重さで割りますので、重量も大切です。

重量のあるナタは、薪にしっかりと食い込むことができ薪割りには最適です。

しかし、あまりにも重いと腕や手首に負担が掛かかったり、持ち運びしにくいので注意です。

選ぶポイント⑤|柄の形状

引用元:五十嵐刃物工業 鋼典 鋼付 両刃鞘鉈 180mm C-14

柄とは持ち手の部分のことで、おすすめの柄の形状の条件は以下です。

  • 刃に近いほど柄が細くなっているもの
  • 木の枝そのものやプラスチックなど、デザイン性の高くないもの

上記を満たしているナタは少ない力で扱いやすいため腕が疲れにくく、手が滑ってケガしてしまうリスクも減らすことができます。

鉈(ナタ)を使った薪割りの流れ

鉈(ナタ)を使用して薪を割る際は、安全かつ効率的に作業を進めるために以下のステップに従って行います。

  • STEP①|服装の準備
  • STEP②|安定した薪割り台の用意
  • STEP③|薪割り台に薪を立て、薪の上にナタを添える
  • STEP④|ナタの背を太めの薪でたたく

STEP①|服装の準備

ケガ予防のため、手元と足元を整えましょう。

  • 利き手
    • ナタがすべらないよう素手にしましょう。
  • 利き手と反対側の手
    • ケガ予防のため、革グローブを着用しましょう。
  • 足元
    • ケガ予防のため、しっかりとしたスニーカーやブーツを履きましょう。
    • 夏場など短パンの場合は、足元を隠すエプロンを着用しましょう。

STEP②|安定した薪割り台の用意

引用元:キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) 薪割り台 バトニング台 鍋敷き バトニングスタンド 直径22cm 収納袋付 竹製 TAKE-WARE UP-1045/UY-7072

薪割りを始める前に最も重要なことは、安定した作業台として薪割り台を準備することです。

薪割り台が必要な理由は、主に3つあります。

  • ナタの刃こぼれ予防のため
    • コンクリートや砂利の上で薪割りをすると、薪が割れた拍子に勢い余って斧で地面を叩いてしまうことがあります。
  • ケガの予防のため
    • 地面で斧が弾かれて手を傷めたり自分の足を傷つけたりすることがあります。
  • 効率良く力を加えるため
    • 土や芝生などの柔らかい場所に置いて割ると、地面がクッションになり力が分散されてしまいます。

▼おすすめの薪割り台は【厳選】薪のプロが教えるおすすめの薪割り台7選を紹介。をご覧ください。

STEP③|薪割り台に薪を立て、薪の上にナタを添える

以下の手順で行います。コツもおさえましょう!

  1. 薪割り台に薪を立てる
    • 薪の端を片手で軽く持ち、もう一方の端を作業台にしっかりと接触させることで、薪を安定させることができます。
  2. 薪を持つ手を遠くに伸ばす
    • 万が一ナタが滑った場合でも、手が直接危険に晒されずに済みます。
  3. 薪の中心線が木目の方向になるように薪の向きを変える
    • 木目に沿ってナタを当てることで簡単に割ることができます。
  4. ナタの刃を薪の中心線に添える

STEP④|ナタの背を太めの薪でたたく

ナタの刃を薪に添えた状態で、ナタの背(刃の反対側)を他の薪などで力強くたたきます。

この動作によりナタが薪に深く食い込み、薪を効率的に割ることができます。

特に力を入れて割りたい時は

ナタを薪に固定した状態で薪ごとナタを持ち上げ、薪割り台に向かって一気にナタと薪を打ち下ろす方法も効果的です。

ナタが直線的に移動するようにし、力を均等に分配することがポイントです。

ナタ自体の重さと落下の力を利用して、薪を効率良く割ることができます。

また、安全に薪を割るために以下を気をつけましょう。

  • ナタをたたく際には直接手でたたかず、必ず薪や打ち木を使用しましょう
    • 手を保護し、より大きな力をナタに伝えることができます。
  • 常にハンドル部分を下に向けましょう
    • ハンドルが刃よりも下の位置にあれば、自分のほうに刃が向かないので安全です。
  • 薪を割る際は周囲に人がいないか確認しましょう。
    • 誤ってナタを飛ばしても、人に当たらないようにしましょう。

ナタの保管方法について

ナタを保管するにあたり、気をつけるポイントが2つあります。

それぞれについて解説していきます。

  • 保管ポイント①|長持ちさせるために
  • 保管ポイント②|銃刀法に違反しないために

保管ポイント①|長持ちさせるために

ナタは、使用後にきちんとお手入れすれば長く使うことができます。

長持ちさせるポイントは以下です。

  • 使い終えた後はよく洗って完全に乾かして保管しましょう。
  • 使わない期間が長くなりそうな時は、サビ防止のために刃に植物性の油を塗って新聞紙に包んで保管しましょう。
  • 切れ味が落ちてきた場合は砥石を使って刃を研ぎましょう

保管ポイント②|銃刀法に違反しないために

銃刀法とは、銃砲や刀剣類を正当な理由なく所持することを禁止する法律のことです。

刃渡り6㎝以上の刃物が対象になり、違反になった場合は刑事罰(2年以下の懲役・または30万円以下の罰金)になります。

違反しないように以下2点を気をつけましょう。

  • 刃をむき出しで携帯しないこと
    • 外から見えないようにしっかり収納しましょう。
  • 刃物を車に積んだまま別の用事に出かけないこと
    • 薪割りという正当な理由なく刃物を所持していることになるためです。
    • 自宅の敷地内であれば問題ありません。

まとめ

この記事では、ナタの選び方や使い方のコツについて解説しました。

ナタとは、片手での使用を想定されており斧・手斧よりも刃が薄く刃渡りが長いもので、刃の形状や刃が付く面の違いにより様々な種類があります。

ナタを使えば、以下の手順で簡単に薪を割ることができます。

  • STEP①|服装の準備
  • STEP②|安定した薪割り台の用意
  • STEP③|薪割り台に薪を立て、薪の上にナタを添える
  • STEP④|ナタの背を太めの薪でたたく

ナタを使って薪割りをよりいっそう楽しみましょう!

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