香りのよい薪を使えば、焚き火や薪ストーブの時間がもっと特別なものになります。
ただ暖を取るだけでなく、薪の持つ豊かな香りが空間を包み込み、リラックス効果や心地よい雰囲気を生み出してくれるのです。
しかし、どの薪がどんな香りを持ち、どんなシーンに適しているのかを知らなければ、せっかくの薪選びがもったいないものになってしまいます。
この記事では、香りのする薪の種類や特徴を薪の専門家が詳しく解説し、あなたにぴったりの薪選びをサポートします。
焚き火や薪ストーブをもっと楽しみたい方、香りのよい薪を探している方はぜひ最後までご覧ください。
- 香りのする薪の種類と、その特徴
- 香りのする薪の入手方法
- 香りのする薪を楽しめるシーン
- 薪の種類の違いで楽しめるポイント
▼「焚き火のやり方から知りたい」方は下記をご覧ください。
香りのする薪とは
香りのする薪として代表的な樹種としては以下です。
それぞれの特徴について解説します。
種類 | 香りの種類 | 香りの強さ | |
---|---|---|---|
①ウメ | 広葉樹 | 甘い香り | ★☆☆ |
②サクラ | 広葉樹 | 甘い香り | ★★☆ |
③リンゴ | 広葉樹 | 甘い香り | ★☆☆ |
④ケヤキ | 広葉樹 | 御香を炊いた香り | ★★☆ |
⑤ヒノキ | 針葉樹 | 温泉地の香り | ★★★ |
▼「広葉樹のおすすめを知りたい」方は下記をご覧ください。
香りのする薪①|ウメ

画像引用元: 楽天市場
ウメもサクラほどの香りの強さではないですが、同じバラ科なので甘い香りがします。
ウメの比重は0.81で、「薪の王様」と呼ばれるカシに匹敵するほどの値で、最大級に火持ちします。
燃焼効率がかなり高い証拠として、燃やした後の灰が真っ白でサラサラになります。
堅く繊維がねじれていることもあるので、バトニングやフェザリングには適していません。
香りのする薪②|サクラ

画像引用元: 楽天市場
サクラは燻製チップとしてよく利用されるほど、甘い香りが人気です。
バラ科の薪はどれも同じように甘い香りがしますが、サクラはその中でも特に香りが強いです。
「比重」(同じ体積に対する重さのことで、水を1としたときの値)が高いほど、木の密度が高く燃える部分が多いため、火持ちが長くなります。
サクラの比重は0.6で、「薪の王様」と呼ばれるカシに比べると低いもののしっかり火持ちします。
香りのする薪③|リンゴ

画像引用元: 楽天市場
リンゴはサクラほどの香りの強さではないですが、同じバラ科なので甘い香りがします。
リンゴの比重は0.6で、「薪の王様」と呼ばれるカシに比べると低いもののしっかり火持ちします。
堅く繊維がねじれていることもあるので、バトニングやフェザリングには適していません。
香りのする薪④|ケヤキ

画像引用元: 楽天市場
お香を炊いたような独特の香りがします。
ケヤキの比重は0.69で、「薪の王様」と呼ばれるカシに比べると低いもののしっかり火持ちします。
香りのする薪⑤|ヒノキ

画像引用元: 楽天市場
ヒノキは、温泉を思い出す爽やかな香りがします。ヒノキ風呂で有名ですね。
この中で唯一の針葉樹で、比重は0.41です。
火持ちは良くないですが火付きはとても良いので、焚き付けにおすすめです。
香りのする薪の入手方法
ホームセンターやキャンプ場では「広葉樹」「針葉樹」という括りでしか売られていないことが多いので、薪の専門販売店かネットショップで購入するのがおすすめです。
ふるさと納税であれば実質2,200円で大量の薪を手に入れられるので、頻繁に焚き火をする方や薪ストーブをお持ちの方におすすめです。
▼「ふるさと納税で手に入る薪のおすすめを知りたい」方は下記をご覧ください。
香りのする薪を楽しめるシーン
香りのする薪は、下記3つのシーンで楽しむのがおすすめです。
- シーン①|焚き火
- シーン②|キャンプ料理
- シーン③|薪ストーブ
シーン①|焚き火

炎を眺めることによる癒し効果に加えて、香りからも癒し効果を得られます。
広葉樹であれば火持ちが良いので、頻繁に薪をくべる必要がなく長時間楽しむことができます。
シーン②|キャンプ料理

サクラのチップを使った燻製料理のように、香りのする薪を使ってキャンプ料理を作れば、料理に香りをまとわせることができます。
熾火の状態は火力が安定しているため、料理におすすめです。
▼「熾火について知りたい!」方は下記をご覧ください。
シーン③|薪ストーブ

薪ストーブは煙を外に出す構造になっているので焚き火に比べると香りを楽しみにくいですが、それでも室内にふんわりと香りが残ります。
別の部屋から薪ストーブのある部屋に移動したときが、香りを感じられるタイミングです!
▼「自宅用薪ストーブの価格相場について知りたい」方は下記をご覧ください。
薪の種類の違いで楽しめるポイント
薪の樹種の違いで楽しめるポイントについて解説します。
- ポイント①|香り
- ポイント②|着火しやすさ
- ポイント③|炎の揺らぎ
- ポイント④|薪の爆ぜる音
- ポイント⑤|火持ち
▼「薪の種類と選び方について知りたい」方は下記をご覧ください。
ポイント①|香り
上述の通り種類によって燃やした煙で感じられる香りが異なり、癒やされることができます。
また、キャンプ料理の香り付けに使うことでより一層美味しく味わうことができます。
ポイント②|着火しやすさ

種類により油分の量が異なり、油分を多く含むほど着火しやすくなります。
針葉樹の多くがその特徴をもっていて、代表的な樹種はマツです。
マツの油分は「マツヤニ」と呼ばれ、弦楽器の弓の塗布剤に使われたりしています。
ポイント③|炎の揺らぎ
樹種により比重(木の密度)が異なり、比重が高いほどゆっくり穏やかな炎で燃えます。
激しい炎よりも穏やかな炎に癒やされたい方が多いのではないでしょうか?
広葉樹の中でもウメは比重が0.8以上なので、穏やかな炎が好きな方にはおすすめです。
ポイント④|薪の爆ぜる音

樹種により比重(木の密度)が異なり、比重が低いほど爆ぜやすいです。
そもそも「爆ぜる」とは、木の中に含まれる水分が膨張して木の繊維が割れることです。
その瞬間パチっと音がなり、割れた木の繊維が火の粉となり飛びますので、火傷や布製品の焦げにつながります。
爆ぜやすい薪として代表的なのはクリです。
クリの導管はかなり大きく、乾燥が進むと導管内の水分の代わりに空気が入るためです。
ポイント⑤|火持ち
樹種により比重(木の密度)が異なり、比重が高いほど火持ちがよいです。
火持ちが良いと、何度も薪をくべる必要がなく楽です。
火持ちがよいということは燃焼効率が良いということで、燃やした後の灰は白くサラサラで掃除しやすいのもポイントです。
まとめ
香りのよい薪を使えば薪の持つ豊かな香りが空間を包み込み、リラックス効果や心地よい雰囲気を生み出してくれます。
しかし、どの薪がどんな香りを持ち、どんなシーンに適しているのかを知らなければ、せっかくの薪選びがもったいないものになってしまいます。
この記事では、香りのする薪の種類や特徴を薪の専門家が詳しく解説しました。
香りのよい薪で、焚き火や薪ストーブをもっと楽しみましょう!
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