暖炉や薪ストーブに最適な薪の種類は?選び方を薪のプロが解説

薪の知識

暖炉や薪ストーブを最大限に活用するには、適切な薪選びが欠かせません。

しかし、「どの薪が最適なのか?」「広葉樹と針葉樹はどう違うのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

薪の選び方を間違えると燃焼効率が悪くなったり、メンテナンスの手間が増えたりすることもあります。

本記事では、薪ストーブに適した薪の種類とその選び方について詳しく解説します。

これを読めば、暖房効果を最大限に引き出せる薪の選び方がわかり、快適な薪ストーブライフを楽しめます。

この記事でわかること
  • 薪ストーブに最適な薪の種類
  • 薪ストーブに最適な薪の選び方
  • 一度にどのくらいの薪が入るか
  • 1日/1年にどのくらいの薪が必要か

薪ストーブに最適な薪の種類

薪ストーブを最大限に活用するためには、適切な薪を選ぶことが重要です。

薪の種類によって燃焼時間や火力、煙の発生量が異なるため、特徴を理解して使い分けることが快適な暖房環境につながります。

ここでは、広葉樹針葉樹に分類し、それぞれの代表的な樹種について解説します。

  • 種類①|広葉樹
    • 樹種①|ウメ
    • 樹種に|カシ
    • 樹種③|リンゴ
    • 樹種④|クヌギ
    • 樹種⑥|ナラ
  • 種類②|針葉樹
    • 樹種①|ヒノキ
    • 樹種②|スギ

種類①|広葉樹

広葉樹は密度が高く燃焼時間が長いため、薪ストーブに適しています

また、火持ちが良く、熾火(おきび)ができやすいため、安定した暖房が可能です。

広葉樹の代表的な樹種は下記の通りです。それぞれについて解説します。

①ウメ②カシ③リンゴ④クヌギ⑤ナラ
比重0.810.870.80.850.67
火付き
火持ち
割りやすさ

▼「お得に手に入る広葉樹のおすすめを知りたい」方は下記をご覧ください。

▼「広葉樹の薪についてもっと詳しく知りたい」方は下記をご覧ください。

種類①|ウメ

画像引用元:梅ボーイズ公式サイト

は、広葉樹の中でも特に比重(木の密度)が大きいため火持ちします。

梅の比重は、広葉樹の代表ナラの比重の約1.2倍、針葉樹の代表スギの比重の約2倍。

穏やかな優しい炎が長く続くので、眺めているだけで癒やされます!

さらに熾火も長持ちするので、じんわり暖かい時間も満喫できます。

燃焼効率が高く、一般的な広葉樹と比較して灰が少なく片付けが簡単

そのため、食材に灰がつきにくく料理に使いやすいのも特徴。

種類②|カシ


画像引用元: 楽天市場

カシは火力が強く火持ちがよいため「薪の王様」といわれています。

薪を割るときに少し大変で火付けにも時間がかかりますが、その分火持ちがよいため薪の消費をかなり抑えることができます

成長と乾燥する速度が遅いためコストがかかり、高級薪として扱われます。

熾火が長く続くので、暖炉や薪ストーブ内の温度が下がらず温かさが持続し、冷えきらないので翌朝の着火作業も素早く行えます

種類③│リンゴ


画像引用元: 楽天市場

リンゴは、比重が高く火持ちが良いため、薪の継ぎ足しが少なくて済みます。

また、一般の広葉樹の薪より燃焼温度が高く、煙に甘い香りが伴いむせるような臭いが少ないのが特徴です。

点火が良く燃焼が安定しているため、薪ストーブや暖炉にとても適しています。

青森県などりんごの産地では昔から薪ストーブ用の薪として重宝されてますが、県外に出回ることは少ないです。

種類④|クヌギ


画像引用元: 楽天市場

クヌギは熾火になってからの火力も強いことから「最高級の薪」といわれています。

薪を投入する際に少々重さを感じますが、燃焼時間が長いため薪を継ぎ足す回数を減らすことが可能です。

暖炉や薪ストーブで室内を長時間暖めたい時などにおすすめです。

樹種⑤|ナラ


画像引用元: 楽天市場

ナラは暖炉や薪ストーブに使う薪の代名詞で、燃焼スピードが遅いため灰の出る量も少なくメンテナンスがしやすいです。

大割の薪を使用すると、約2~3時間程度は薪ストーブの適正温度を保つことができます

就寝前などに十分にくべて、ある程度空気を絞っておくと朝まで種火が残り、着火材を使用しなくてもすぐに火を起こすことが可能です。

幅広い地域で手に入れやすく、火持ちも良く、煙も少ない、と薪の代名詞となるのも納得です。

種類②|針葉樹

針葉樹は火付きが良く、焚き付け用として適しています。

ただし、ヤニが多いため煙突が汚れやすく、定期的なメンテナンスが必です。

針葉樹の代表的な樹種は下記の通りです。それぞれについて解説します。

①ヒノキ②スギ
比重0.410.35
火付き
火持ち
割りやすさ

樹種①|スギ


画像引用元: 楽天市場

スギは火つきがよいため焚き付けに最適であり、安価で入手することができます

しかし、火持ちは長くないので薪ストーブや暖炉で使用する場合は、太い薪を使いましょう。

樹種②|ヒノキ


画像引用元: 楽天市場

ヒノキは、火がつきやすく燃え尽きやすいですが、優しいヒノキの香りに包まれながら薪ストーブや暖炉を楽しめるのが最大の魅力です!

薪ストーブに最適な薪を選び方

暖炉や薪ストーブに最適な薪を選ぶコツを4つ紹介します。

  • コツ①|薪ストーブに合う長さか
  • コツ②|定期的、大量に調達可能か
  • コツ③|ヤニが少ないか
  • コツ④|薪にしてはいけない木ではないか

コツ①|薪ストーブに合う長さか

薪ストーブに最適な長さは30cmと言われていますが、使っている薪ストーブの炉のサイズに合わせて決めましょう。

各メーカーからそのストーブに合った薪の長さが提示されていますので、ご確認ください。

炉のサイズにギリギリの長さだと扉やガラスを傷めてしまう可能性がありますので、炉の長さよりマイナス5〜10cmを目安にしましょう。

▼「最適な薪のサイズについて詳しく知りたい」方は下記をご覧ください。

▼「薪の長さを調整できるチェーンソーについて知りたい」方は下記をご覧ください。

コツ②|定期的、大量に調達可能か

どんなにこだわって選んだ薪でも、暖炉や薪ストーブに必要な量の薪を確保できないと意味がありません。

薪置場のスペースが狭い場合は定期便で、薪置場のスペースが広い場合は一度に大量の薪を入手できるルートを確保しましょう!

薪は主に薪ストーブのお店やホームセンター、インターネットの通販などでも手に入ります。

▼「ホームセンターの薪について詳しく知りたい」方は下記をご覧ください。

コツ③|ヤニが少ないか

ヤニとは、木の油分を多く含む樹液のことです。

ヤニが多いと暖炉や薪ストーブの煙突の内側に付着していき、最悪の場合は煙道火災を起こしてしまうこともあります。

針葉樹は広葉樹と比べてヤニが多いのですが、あらかじめよく乾燥させておけばヤニの影響を最小限にできます。

針葉樹の中でもヤニが多いマツ系の樹種は避けておいたほうが無難です。

マツ系の樹種の薪を手にいれた場合は、暖炉や薪ストーブではなく焚き火の火付けに活用しましょう!

コツ④|薪にしてはいけない木ではないか

毒性がある樹種が存在し、それらは薪として燃やすのはとても危険です。

お店から薪として売られているものであれば出会うことはないですが、自ら原木を入手して薪を作る場合は注意しましょう!

  • キョウチクトウ
    • 木自体と、燃やした際の煙に毒性があります。
  • ユズリハ
    • 木自体に毒性があります。

一度にどのくらいの薪が入る?

暖炉や薪ストーブに一度に炉内に入れることができる薪の量は、サイズにもよりますが一般的に2~3kg程度で、広葉樹の薪であれば2~4本程度です。

薪を入れすぎると、温度が上がりすぎて部品を傷めたり不完全燃焼を起こしたりする原因になります。

1日/1年にどのくらいの薪が必要?

一般的に、朝から夜まで暖炉や薪ストーブを燃やし(8〜10時間)、就寝時に燃えついている状態にするためには1日で25kgの薪が必要です。

毎年11月から3月までの5か月間、暖炉や薪ストーブを燃やす場合、1年に約4トンの薪が必要になります。

▼「効率よく暖める方法を知りたい」方は下記をご覧ください。

まとめ

暖炉や薪ストーブを最大限に活用するには、適切な薪選びが欠かせません。

しかし、「どの薪が最適なのか?」「広葉樹と針葉樹はどう違うのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

薪の種類によって燃え方や熱量が異なり、選び方を間違えると燃焼効率が悪くなったり、メンテナンスの手間が増えたりすることもあります。

本記事では、暖炉や薪ストーブに適した薪の種類と、その選び方について詳しく解説しました。

これを読んで、暖房効果を最大限に引き出せる薪の選び方がつかみ、快適な薪ストーブライフを楽しみましょう!

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