暖炉や薪ストーブに最適な薪とは?おすすめや選ぶコツを薪のプロが解説

薪の知識

暖炉薪ストーブをせっかく使うなら、最適な薪を使いたいですよね?

一日に24kg程度の薪を使うことになりますから、こだわって選びたいものです。

薪のプロがおすすめする、暖炉や薪ストーブに最適な薪の樹種を紹介します。

カシウメリンゴクヌギケヤキナラサクラヒノキスギ
比重0.870.810.80.850.690.670.620.410.35
火付き
火持ち
割りやすさ

さらに、暖炉や薪ストーブに最適な薪の選ぶコツも解説します!

  • コツ①|薪ストーブに合う長さか
  • コツ②|定期的に調達できるか
  • コツ③|ヤニが少ないか
  • コツ④|薪にしてはいけない木ではないか
この記事でわかること
  • 暖炉や薪ストーブに最適な薪の樹種
  • 暖炉や薪ストーブに最適な薪のを選ぶコツ
  • 一度にどのくらいの薪が入るか
  • 一日/一年にどのくらいの薪が必要か

▼「焚き火や薪ストーブに最適な薪が欲しい」という方におすすめ!

暖炉や薪ストーブに最適な薪の種類

広葉樹は針葉樹と比べて比重が大きいため火持ちがよく、暖炉や薪ストーブに適していると言われています。

比重とは、水を1とした場合の同じ体積に対する重さのことです。

ただ針葉樹しっかり乾燥した太めの薪を用意すれば火持ちします

広葉樹と針葉樹それぞれについて、薪のプロが厳選した暖炉や薪ストーブに適している樹種を紹介します!

  • 種類①|広葉樹
    • 樹種①|カシ
    • 樹種②|ウメ
    • 樹種③|リンゴ
    • 樹種④|クヌギ
    • 樹種⑤|ケヤキ
    • 樹種⑥|ナラ
    • 樹種⑦|サクラ
  • 種類②|針葉樹
    • 樹種①|ヒノキ
    • 樹種②|スギ

下記は比較表です。比重が高い順に並べています。

同じ広葉樹・同じ針葉樹でも、樹種により特徴が少しずつ異なります

広葉樹に比べると比重が小さいことがよくわかりますね!

カシウメリンゴクヌギケヤキナラサクラヒノキスギ
比重0.870.810.80.850.690.670.620.410.35
火付き
火持ち
割りやすさ

▼「そもそも薪ストーブはどれを選べばいい?」という方はこちら。

種類①|広葉樹

広葉樹の薪はとても火持ちが良いので、暖炉や薪ストーブに薪を追加する頻度を抑えることができます

さらに、広葉樹の薪は燃焼効率が高いことから煤が少なく、炉内や煙突のメンテナンスがしやすいです。

広葉樹がそのような特徴をもっている理由は、比重(水を1とした場合の同じ体積に対する重さのこと)が大きいからです。

比重が大きいほど燃える部分が多いので、火持ちが良く燃焼効率が高い薪になります。

  • 樹種①|カシ
  • 樹種②|ウメ
  • 樹種③|リンゴ
  • 樹種④|クヌギ
  • 樹種⑤|ケヤキ
  • 樹種⑥|ナラ
  • 樹種⑦|サクラ
カシウメリンゴクヌギケヤキナラサクラ
比重0.870.810.80.850.690.670.62
火付き
火持ち
割りやすさ

▼「広葉樹の薪についてもっと詳しく知りたい!」という方はこちら。

種類①|カシ


画像引用元: 楽天市場

カシは火力が強く火持ちがよいため「薪の王様」といわれています。

薪を割るときに少し大変で火付けにも時間がかかりますが、その分火持ちがよいため薪の消費をかなり抑えることができます

成長と乾燥する速度が遅いためコストがかかり、高級薪として扱われます。

木質構造が緻密で火持ちが良く、熾火が長く続くのが特徴です。

そのため、暖炉や薪ストーブ内の温度が下がらず温かさが持続し、冷えきらないので翌朝の着火作業も素早く行えます

種類②|ウメ

梅の薪は広葉樹の中でも特に比重が大きいため火持ちします

燃焼実験で比較すると、熾火になるまでの時間が、一般的な広葉樹の薪よりも梅の薪のほうが約1.5倍長くかかりました。

また、梅の薪を燃やした後の灰は一般的な広葉樹の薪よりも真っ白サラサラで、量も少ないので、暖炉や薪ストーブの炉内や煙突のメンテナンスが楽です。

種類③│リンゴ


画像引用元: 楽天市場

リンゴは、比重が高く火持ちが良いため、薪の継ぎ足しが少なくて済みます。

また、一般の広葉樹の薪より燃焼温度が高く、煙に甘い香りが伴いむせるような臭いが少ないのが特徴です。

点火が良く燃焼が安定しているため、薪ストーブや暖炉にとても適しています。

青森県や長野県などりんごの産地では昔から薪ストーブ用の薪として重宝されており人気がありますが、県外に出回るリンゴの薪は希少です。

樹種④|ナラ


画像引用元: 楽天市場

ナラは暖炉や薪ストーブに使う薪の代名詞で、燃焼スピードが遅いため灰の出る量も少なくメンテナンスがしやすいです。

大割の薪を使用すると、約2~3時間程度は薪ストーブの適正温度を保つことができます

就寝前などに十分にくべて、ある程度空気を絞っておくと朝まで種火が残り、着火材を使用しなくてもすぐに火を起こすことが可能です。

幅広い地域で手に入れやすく、火持ちも良く、煙も少ない、価格もこなれている、と薪の代名詞となるのも納得です。

種類⑤|クヌギ


画像引用元: 楽天市場

クヌギは熾火になってからの火力も強いことから「最高級の薪」といわれています。

薪を投入する際に少々重さを感じますが、燃焼時間が長いため薪を継ぎ足す回数を減らすことが可能です。

暖炉や薪ストーブで室内を長時間暖めたい時などにおすすめです。

種類⑥|ケヤキ


画像引用元: 楽天市場

ケヤキは、高密度かつ均一な構造を持つため、薪ストーブや暖炉での燃焼効率が非常に高くなります。

燃焼時間が長いため少ない薪でも多くの熱を得ることができ、燃料の消費を最小限に抑えることができます。

お香を炊いたような独特の香りがあり、森林浴をしているような癒しを与えてくれます。

薪ストーブや暖炉を楽しみながら、心地よい香りに包まれる贅沢な時間を過ごすことができます。

種類②|針葉樹

暖炉や薪ストーブで針葉樹を燃やしてはいけないと思っている方がいますが、それは間違いです。

着火性がよく熱量も高いので、焚きつけにぴったり

しっかりと乾燥したものであれば、広葉樹を混ぜて使用しても問題ありません。

火の持ちがあまり良くないですが、太い薪にすれば長持ちさせることができます。

針葉樹の中でも特にスギヒノキは手に入れやすく、身近に有るならぜひ活用しましょう。

ただし、比重が広葉樹に比べて小さいので、広葉樹と同じ熱量を生むためには多くの薪をストックする必要があります。

薪置場のスペース確保は必要です。

  • 樹種①|スギ
  • 樹種②|ヒノキ
ヒノキスギ
比重0.410.35
火付き
火持ち
割りやすさ

樹種①|スギ


画像引用元: 楽天市場

スギは火つきがよいため焚き付けに最適であり、安価で入手することができます

しかし、火持ちは長くないので薪ストーブや暖炉で使用する場合は、太い薪を使いましょう。

樹種②|ヒノキ


画像引用元: 楽天市場

ヒノキは、火がつきやすく燃え尽きやすいですが、優しいヒノキの香りに包まれながら薪ストーブや暖炉を楽しめるのが最大の魅力です!

暖炉や薪ストーブに最適な薪を選ぶコツ

暖炉や薪ストーブに最適な薪を選ぶコツを4つ紹介します。

  • コツ①|薪ストーブに合う長さか
  • コツ②|定期的に調達できるか
  • コツ③|ヤニが少ないか
  • コツ④|薪にしてはいけない木ではないか

コツ①|薪ストーブに合う長さか

薪ストーブに最適な長さは30cmと言われていますが、使っている薪ストーブの炉のサイズに合わせて決めましょう。

各メーカーからそのストーブに合った薪の長さが提示されていますので、ご確認ください。

炉のサイズにギリギリの長さだと扉やガラスを傷めてしまう可能性がありますので、炉の長さよりマイナス5〜10cmを目安にしましょう。

▼「薪の長さを調整するためにはどういうチェーンソーがいい?」という方はこちら。

コツ②|定期的もしくは大量に調達できるか

どんなにこだわって選んだ薪でも、暖炉や薪ストーブに必要な量の薪を確保できないと意味がありません。

薪置場のスペースが狭い場合は定期便で、薪置場のスペースが広い場合は一度に大量の薪を入手できるルートを確保しましょう!

薪は主に薪ストーブのお店やホームセンター、インターネットの通販などでも手に入ります。

コツ③|ヤニが少ないか

ヤニとは、木の油分を多く含む樹液のことです。

ヤニが多いと暖炉や薪ストーブの煙突の内側に付着していき、最悪の場合は煙道火災を起こしてしまうこともあります。

針葉樹は広葉樹と比べてヤニが多いのですが、あらかじめよく乾燥させておけばヤニの影響を最小限にできます。

針葉樹の中でもヤニが多いマツ系の樹種は避けておいたほうが無難です。

マツ系の樹種の薪を手にいれた場合は、暖炉や薪ストーブではなく焚き火の火付けに活用しましょう!

コツ④|薪にしてはいけない木ではないか

毒性がある樹種が存在し、それらは薪として燃やすのはとても危険です。

お店から薪として売られているものであれば出会うことはないですが、自ら原木を入手して薪を作る場合は注意しましょう!

  • キョウチクトウ
    • 木自体と、燃やした際の煙に毒性があります。
  • ユズリハ
    • 木自体に毒性があります。

一度にどのくらいの薪が入る?

暖炉や薪ストーブに一度に炉内に入れることができる薪の量は、サイズにもよりますが一般的に2~3kg程度で、広葉樹の薪であれば2~4本程度です。

薪を入れすぎると、温度が上がりすぎて部品を傷めたり不完全燃焼を起こしたりする原因になります。

1日/1年にどのくらいの薪が必要?

一般的に、朝から夜まで暖炉や薪ストーブを燃やし(8〜10時間)、就寝時に燃えついている状態にするためには1日で25kgの薪が必要です。

毎年11月から3月までの5か月間、暖炉や薪ストーブを燃やす場合、1年に約4トンの薪が必要になります。

まとめ

この記事では、薪のプロがおすすめする、暖炉や薪ストーブに最適な薪の樹種を紹介します。

カシウメリンゴクヌギケヤキナラサクラヒノキスギ
比重0.870.810.80.850.690.670.620.410.35
火付き
火持ち
割りやすさ

さらに、暖炉や薪ストーブに最適な薪の選ぶコツも解説しました!

  • コツ①|薪ストーブに合う長さか
  • コツ②|定期的に調達できるか
  • コツ③|ヤニが少ないか
  • コツ④|薪にしてはいけない木ではないか

一日に24kgも使うことになりますから、暖炉や薪ストーブに最適な薪をつかって楽しみましょう!

▼「焚き火や薪ストーブに最適な薪が欲しい」という方におすすめ!

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