生木を手に入れたとき、生木を薪にする方法を知りたくなりますよね。
薪の作り方は以下の通りです。
- 生木を調達する
- 玉切りする
- 薪を割る
- 乾燥させる
また、薪作りに必要な道具は以下です。
- チェーンソー
- 斧
- 薪割り台
- 薪割り機
- 防具服
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薪の作り方
薪の作り方は、下記の通りです。
- STEP①|生木を調達する
- STEP②|玉切りする
- STEP③|薪を割る
- STEP④|乾燥させる
STEP①|生木を調達する
まず初めに、薪の元となる生木を調達しましょう。
森林で伐採された木を生木と言い、大きく分けて2種類あります。
どちらも確保するのがおすすめです。
- 焚き付け用の火付きが良い針葉樹
- 本番用の火持ちがよい広葉樹
ホームセンターやネットショップ、お住まいの地域の森林組合から購入しましょう。
自治体や造園業者から無料で譲ってもらえる可能性もあるので、問い合わせしてみるのも良いです。
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STEP②|玉切りする
調達した生木を玉切り(たまぎり)していきましょう。
玉切りとは、生木を一定間隔の長さで切ることです。
生木を地面に置き、足で押さえながらチェーンソーで好みの薪の長さに切りましょう。
チェーンソーから大きな音が鳴るので、住宅が密集していない広い土地でやりましょう。
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STEP③|薪を割る
玉切りした丸太を割っていきましょう。
斧を使う場合と、薪割り機を使う場合で以下の通りです。
- 斧を使う場合
- 薪に斧の刃をあてて薪割り台に打ち付けることで割れます。
- 薪割り機を使う場合
- 土台に薪を設置して電動で刃を薪にくいこませることで割れます。
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STEP④|乾燥させる
割った薪を乾燥させましょう。
雨の当たらない場所で、井桁型(1段ずつ縦横交互)に並べると薪の間に風が通り早く乾燥させることができます。
スペースが足りない場合は並列型(すべて縦方向)に並べましょう。
軒天(建物から伸びている屋根の裏側部分)を活用して乾燥させることが多いです。
そのような場所がない場合、屋根付きの薪棚を購入したり、薪の上にトタン板やビニールシートを被せて上に重石を置くことで対処しましょう。
▼「薪置き場についてもっと詳しく知りたい!」という方はこちら。▼
薪作りに必要な道具
薪を作るためには、下記の道具を揃えておきましょう。
- チェーンソー
- 斧
- 薪割り台
- 薪割り機
- 防具服
道具①|チェーンソー
チェーンソーとは、チェーン状になった刃を高速で回転させて木を削りながら切断する機械のことで、生木を薪の長さになるように切る(玉切りする)ために必要です。
ホームセンターやネットショップで、5万円前後で購入することができます。
初心者の方におすすめのチェーンソーは以下です。バーが短く排気量が少ないほうが扱いやすいです。
- バー(チェーンソー刃)の長さが35cm
- 排気量が35cm3以上
- できるだけ軽い
チェーンソーを使うために専用の免許は不要ですが、安全に使うために専門の教育機関での受講をおすすめします。
▼「薪作りに使える、おすすめのチェーンソーを教えて!」という方はこちら▼
道具②|斧
斧とは、柄の先に厚くて重い刃を装着した刃物のことです。
チェーンソーで切った丸太を斧で割ることで、火付きを良くすることができます。
ホームセンターやネットショップで、1万円前後で購入できます。
割る丸太のサイズによって、斧を選びましょう。
▼「斧以外に薪割りに使える道具はないの?」という方はこちら。▼
道具③|薪割り台
薪割り台とは、薪をのせる木製の土台のことです。
薪割り台を使うことで、土の上など柔らかい場所よりも割りやすくなりますし、地面や斧自体を痛めずに済みます。
ホームセンターやネットショップで、3千円前後で購入できます。
▼「どんな薪割り台を選べばいいの?」という方はこちら。▼
道具④|薪割り機
薪ストーブ用に大量に薪を割る際は、斧よりも薪割り機のほうが便利です。
薪割り機とは、ガソリンや電気の動力で薪を割る機械のことです。
薪ストーブは1日に約25kgの薪が必要と言われていますから、斧よりも薪割り機のほうが体力と時間を削減できます。
ホームセンターやネットショップで、10万円前後で購入できます。
▼「どんな薪割り台を選べばいいの?」という方はこちら。
道具⑤|防具服
チェーンソーから身体全身を守るために、防具服を着用しましょう。
具体的には下記です。それぞれについて解説します。
- 林業用ヘルメット
- 作業用手袋
- 防護ズボン
- 安全靴
防具服①|林業用ヘルメット
林業用ヘルメットとは目を覆うゴーグル付きのヘルメットのことで、木の粉を目に入れないために必要です。
ホームセンターやインターネットで5千円前後で購入できます。
視界が遮られることのないように、自分の頭のサイズにフィットするものを選びましょう。
防具服②|作業用手袋
作業用手袋とは、屋外での細かい作業に適した手袋のことです。
作業用手袋を身につけることで、木の表面のトゲによる怪我や、チェーンソー・斧が手から滑り落ちるのを防止できます。
ホームセンター等で1000円前後で買えます。
滑り止め加工がされていて、指の感覚が残るサイズや厚さにすれば、細かい作業もしやすくなります。
防具服③|防護ズボン
防護ズボンとは、チェーンソーで怪我しないように特別な繊維で作られているズボンのことです。
防護ズボンにチェーンソーが当たった時に、繊維がチェーンソーの刃の部分に絡みついたりバーの隙間に入り込んで、その抵抗でチェーンの動きを強制的に止める仕組みになっています。
ホームセンターやインターネットで2万円前後で購入できます。
厚生労働省が認める規格のいずれかに適合もしくは準拠するものを選びましょう。
防具服④|安全靴
安全靴とは、重い物が足元に落ちて怪我をしないように足先が固くなっている靴のことです。
ホームセンターやインターネットで5000円前後で購入できます。
薪の乾燥に要する期間
良質な薪を作るのにかかるには、下記の時間がかかります。
- 針葉樹|3か月から半年
- 広葉樹|半年から1年
針葉樹|3か月から半年
針葉樹の薪の乾燥には、3か月から半年かかります。
針葉樹の主な樹種としてはスギ・ヒノキ・マツがあり、火付きがよい一方で火持ちが悪いので焚き付け用として使います。
木の密度が低いため乾燥しやすく、3ヶ月から半年待てば理想的な含水率と言われている20%まで乾燥します。
広葉樹|半年から1年
広葉樹の薪の乾燥には、半年から1年かかります。
広葉樹の主な樹種としてはカシ・ナラ・クヌギがあり、火付きが悪い一方で火持ちがよいので本番用の薪として使います。
木の密度が高いので乾燥に時間がかかり、半年から1年待つとやっと理想的な含水率と言われている20%まで乾燥します。
▼「薪の選び方を教えてほしい!」という方はこちら。▼
薪を雨ざらしにするとどうなる?
薪を乾燥させるとき、雨ざらしにしても良いか悩みますよね。
結論、長期的には雨ざらしにしないほうが良いです。
雨ざらしにすると起こるのは、以下3つです。
- カビの発生
- 腐敗の発生
- (一時的に)虫害の予防
雨ざらし影響①|カビの発生
薪にカビが発生しても、燃やすこと自体は問題ないです。
ただし見た目が悪くなることはもちろん、燃える部分が減って火持ちが悪くなります。
カビには、赤カビ・黒カビ・青カビの3種類があります。
カビが発生しているかを見分けるポイントは、木がこれらの色に変色しているかです。
カビが発生する条件は含水率が15%以上です。カビを予防するためには雨ざらしにせずに風通しのよい場所に置きましょう。
雨ざらし影響②|腐敗の発生
薪に腐敗が発生しても、燃やすこと自体は問題ないです。
ただし見た目が悪くなることはもちろん、燃える部分が減って火持ちが悪くなります。
腐敗を見分けるポイントは以下です。
- 白くなっている
- スポンジのようにスカスカ
腐敗が発生する条件は、空気の湿度が85%以上かつ含水率が25%以上です。
腐敗を予防するためには雨ざらしにせずに風通しのよい場所に置きましょう。
雨ざらし影響③|虫害の予防
雨ざらしをすることにより、良いこともあります。
虫害予防には、一時的(数日程度)に雨ざらしにすることが効果的です。
薪の内部の水分(樹液や木が吸い上げた水)には養分が多く含まれており、虫を寄せ付けます。
雨晒しにすると雨と一緒に養分が流れていきます。
薪につく虫の代表例としては、カミキリムシです。
薪の中に卵を産みつけることが多く、冬の間は卵からかえった幼虫が薪を食べて過ごします。春先になると成虫が薪から出てきます。
薪作りに最適な時期は?
薪作りに最適な時期は秋から冬で、特に11月から12月がベストシーズンです。
理由は、この時期の木は水分が少なく、乾燥させる期間が短くなるためです。
遅くとも1月までには薪割りを終えて、雨の当たらない風通しの良い場所で乾燥させましょう。
もっと簡単に薪を手に入れる方法
もっと簡単に手にいれるには、下記の方法があります。
- 方法①|購入する
- 方法②|無料で配布している場所に行く
- 方法③|家にあるもので代替する
- 方法④|乾燥した流木を拾う
方法①|購入する
ホームセンターやネットショップ、薪の専門店で薪を購入することができます。
樹種を指定して購入したい場合は、ネットショップや薪専門店をおすすめします。
キャンプ場では高い値段で薪が販売されていることが多いので注意です。
方法②|無料配布を受け取る
キャンプ場で薪を無料で配布していることがあります。
キャンプ場の公式サイトに記載されていることが多いのでチェックしてみましょう。
もしくは、自治体や林業/農業の団体から無料で譲ってもらえるかもしれません。
方法③|家にあるもので代替する
家にあるもので薪を代替する場合は、牛乳パック・割り箸・新聞紙で作る「紙薪」がおすすめです。
牛乳パックは紙が油分でコーティングされているので、ちぎって使えば着火剤の代わりになります。
割り箸は針葉樹で作られているので、そのままの状態で焚き付け用の薪になります。
牛乳パックや割り箸がすぐに燃えて物足りないと感じる方には、簡単に作ることができる「紙薪」がおすすめです。
新聞紙を水に濡らしてドロドロの状態にし、水分を絞りながら棒状のものに巻いて形成して乾燥させれば完成です。
▼「紙薪の作り方をもっと詳しく知りたい!」という方はこちら。▼
方法④|乾燥した流木を拾う
流木とは、川や海を漂って海岸や川辺に流れ着いた木のことです。
海岸や川辺は国有地なので流木を拾って薪として使うのは問題ありませんが、流木の中で薪として使えるものは限られています。
未乾燥のものや腐っているものは薪として適していませんから、注意しましょう。
まとめ
この記事では、簡単な薪の作り方と準備すべきものやかかる時間について徹底的に解説しました。
薪の作り方は以下の通りです。
- 生木を調達する
- 玉切りする
- 薪を割る
- 乾燥させる
また、薪作りに必要な道具は以下です。
- チェーンソー
- 斧
- 薪割り台
- 薪割り機
- 防具服
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