広葉樹といっても様々な樹種がありますから、樹種ごとに違いを楽しむのもおすすめです。
広葉樹にはたくさんの樹種がありますが、薪として使われる主な樹種は以下です。
- ポピュラー
- 種類①|ナラ
- 種類②|クヌギ
- 種類③|ケヤキ
- 種類④│サクラ
- レア
- 種類⑤|カシ
- 種類⑥|ウメ
- 種類⑦|リンゴ
さらに、以下のポイントを意識しながら選ぶことで、薪ストーブや焚き火でより質の高い炎を堪能できます!
- ポイント①|薪の樹種で選ぶ
- ポイント②|薪の太さで選ぶ
- ポイント③|薪の長さで選ぶ
- ポイント④|薪の乾燥度を選ぶ
▼「焚き火や薪ストーブに最適な薪が欲しい」という方におすすめ!
広葉樹の薪の種類7選
広葉樹の薪の種類について、ポピュラーなものからレアなものまで幅広くご紹介します。
薪を比べる指標として、比重(水を1とした場合の同じ体積に対する重さのこと)を記載しました。
比重が大きいほど硬く、燃える部分が多いので火持ちが良い薪になります。
- ポピュラー
- 種類①|ナラ
- 種類②|クヌギ
- 種類③|ケヤキ
- 種類④│サクラ
- レア
- 種類⑤|カシ
- 種類⑥|ウメ
- 種類⑦|リンゴ
ナラ | クヌギ | ケヤキ | サクラ | カシ | ウメ | リンゴ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
比重 | 0.67 | 0.85 | 0.69 | 0.62 | 0.87 | 0.81 | 0.8 |
火付き | ◯ | △ | ◯ | ◯ | △ | △ | △ |
火力 | △ | ◯ | △ | ◯ | ◯ | △ | △ |
火持ち | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ |
割りやすさ | ◯ | △ | ◯ | ◯ | △ | △ | △ |
▼「そもそも薪にはどういう種類があるの?」という方はこちら。
▼「広葉樹の薪が割れなくて困っています!」という方はこちら。
種類①|ナラ
どんぐりの木であるナラは、薪ストーブや暖炉に適した広葉樹で、火持ちが良く、熱量が高く、煙が少ないのが特徴です。
また、燃焼スピードが遅いため灰の出る量も減り、ストーブに優しい薪です。
大割の薪を使用すると、約2~3時間程度は薪ストーブの適正温度を保つことができます。
燃やしたときには上品で香ばしい香りがし、パチパチと心地よい音が鳴ります。
比重 | 0.67 |
火付き | ◯ |
火力 | △ |
火持ち | ◯ |
割りやすさ | ◯ |
種類②|クヌギ
クヌギは非常に密度が高く、熾火(おきび)になってからの火力も強いことから「最高級の薪」といわれています。
薪を投入する際に少々重さを感じますが、燃焼時間が長いため薪を継ぎ足す回数を減らすことが可能です。
クワガタが好む樹木としても有名です。
比重 | 0.85 |
火付き | △ |
火力 | ◯ |
火持ち | ◯ |
割りやすさ | △ |
種類③|ケヤキ
欅(ケヤキ)は、硬く比重が高いため火持ちがよいのが特徴です。
燃焼時間が長いため、薪ストーブや暖炉での使用に最適です。
お香を炊いたような独特の香りがあり、非常に硬いため薪割りにはコツや慣れが必要となります。
比重 | 0.69 |
火付き | ◯ |
火力 | △ |
火持ち | ◯ |
割りやすさ | ◯ |
種類④│サクラ
桜の薪は、ほのかな甘く良い香りが特徴で、火持ちが良く扱いやすいのが特徴です。
広葉樹の中では比較的火付きが良く、燃焼時間も長いため、焚き火に適しています。
ただし、乾きにくいので十分な乾燥期間が必要で、燃やした後の灰も多く残ります。
比重 | 0.62 |
火付き | ◎ |
火力 | ◯ |
火持ち | ◯ |
割りやすさ | ◯ |
種類⑤|カシ
カシは火力が強く火持ちがよいため「薪の王様」といわれています。
薪を割るときに少し大変で、火付けにも時間がかかりますが、その分火持ちがよいため薪の消費を抑えることができます。
成長と乾燥する速度が遅いためコストがかかり、高級薪として扱われます。
比重 | 0.87 |
火付き | △ |
火力 | ◯ |
火持ち | ◎ |
割りやすさ | △ |
種類⑥|ウメ
梅の薪は広葉樹の中でも特に比重が大きいため火持ちします。
燃焼実験で比較すると、熾火(炎があがらず灰が熱を持っている状態)になるまでの時間が、一般的な広葉樹の薪よりも梅の薪のほうが約1.5倍長くかかりました。
梅の薪は穏やかな優しい炎が長く続くのが特徴で、眺めているだけで癒やされます。
もちろん熾火も長く続くするので、炎に癒やされた後はじんわり暖かい時間もたっぷり満喫できます。
また、梅の薪を燃やした後の灰は一般的な広葉樹の薪よりも真っ白サラサラで、量も少ないです。
その理由は、高温で長く燃えることにより燃焼効率が非常に高いからです。
薪火を使って料理する際、食材に一気に高温で熱を加えられますし、食材に灰がつきにくいです。
比重 | 0.81 |
火付き | △ |
火力 | △ |
火持ち | ◎ |
割りやすさ | △ |
種類⑦│リンゴ
リンゴの薪は、密度が高く重いため火持ちが良く、焚き火をゆっくり楽しめます。
また、一般の広葉樹の薪より燃焼温度が高く、煙に甘い香りが伴いむせるような臭いが少ないのが特徴です。
リンゴの薪は、青森県内で消費されることがほとんどで、県外に出回るリンゴ薪は希少です。
比重 | 0.8 |
火付き | △ |
火力 | △ |
火持ち | ◎ |
割りやすさ | △ |
広葉樹の薪を選ぶポイント
薪を選ぶポイントは下記4点です。それぞれについて詳しく解説します。
- ポイント①|薪の樹種で選ぶ
- ポイント②|薪の太さで選ぶ
- ポイント③|薪の長さで選ぶ
- ポイント④|薪の乾燥度を選ぶ
ポイント①|薪の樹種で選ぶ
焚き火や薪ストーブを短時間楽しみたい場合は針葉樹がおすすめです。
火が消えるのが早いので後片付けが楽です。
長時間楽しみたい場合は、火付けには針葉樹を使い、その後は燃焼時間が長い広葉樹がおすすめです。
下記に、針葉樹と広葉樹それぞれのおすすめの樹種を紹介します。
なお、処理されていない天然木を選ぶことが基本です。
塗料や化学物質が含まれる木材は、有害な煙やガスを放出する可能性があるため避けましょう。
また、薪として使ってはいけない樹種もあるので覚えておきましょう。
- キョウチクトウ
- 木自体と、燃やした際の煙に毒性があります。
- ユズリハ
- 木自体に毒性があります。
ポイント②|薪の太さで選ぶ
細い薪(直径5cm以下)は、燃焼時間は短いですが、空気が取り込みやすいので火付けのときに最適です。
太い薪(直径10cm以上)は、一度火がつくと長時間燃え続けるため、持続的に熱を供給したいときに最適です。
最初から、細い薪と太い薪を購入するか、太い薪だけを買って斧で割りましょう。
- 細い薪(直径5cm以下)
- 火付けのときに
- 太い薪(直径10cm以上)
- 持続的に燃やしたいときに
▼薪割りのしかたは、薪割りはどうすればいい?斧やクサビの使い方も含めて解説。をご覧ください。
ポイント③|薪の長さで選ぶ
焚き火台や薪ストーブのサイズにおさまる長さで選びましょう。
30cmが基本サイズですが、ソロ用の焚き火台を使う場合は長すぎることもあるので注意しましょう。
ポイント④|薪の乾燥度を選ぶ
しっかり乾燥された薪を使いましょう。
乾燥していない薪を使うと、水分を蒸発させるためにエネルギーを使ってしまうので燃焼効率が悪く、煙が出たり爆ぜたりする原因になります。
乾燥しているかのチェックポイントは以下です。
- 持ったときにヒンヤリしないか
- 薪同士をたたいたときに軽い音がするか
しっかり乾燥度を測りたい場合は、含水計を使うのもおすすめです。
乾燥が不十分な場合は、焚き火台にたてかけると早く乾燥が進みます。
▼自宅で薪を乾燥させる場合は、薪置き場に最適な薪棚・薪ラックのおすすめ5選を薪の専門家が紹介をご覧ください。
薪の品質を維持するためのポイント
薪の品質を維持するためのポイントは、以下3つです。
- ポイント①|雨の当たらない場所に置く
- ポイント②|薪同士の空間を空ける
- ポイント③|地面との空間を確保する
ポイント①|雨の当たらない場所に置く
雨晒しにし続けると、含水率が下がらず火持ちが悪くなることはもちろん、カビや腐敗の原因になります。
おすすめの場所は、以下3つです。
- 建物の屋根の下に置く
- 軒下やベランダにスペースがあれば活用しましょう。
- 屋根/カバー付きの薪棚に置く
- 様々なサイズの屋根/カバー付き薪棚があるので、薪の量にあわせて選びましょう。
- 見た目が整いおしゃれになります。
- 防水シートを被せて置く
- 農業用ビニールが安く手に入れられるのでおすすめです。1.35m×5mのサイズであれば千円程度で購入できます。
- ビニールが風で飛ばされないように重石として薪を上にのせましょう。
ポイント②|薪同士の空間を空ける
薪同士を密着させると風通しが悪くなり乾燥が進みにくいです。
並べ方を工夫することで乾燥を早めることができます。
並べ方のパターンは3つあります。
乾燥しやすさ | 崩れにくさ | 積みやすさ | コンパクトさ | |
---|---|---|---|---|
井桁型 縦横交互に積む | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
並列型 同じ方向に積む | △ | △ | ◎ | ◎ |
薪の置き場所ごとの、おすすめの並べ方は以下です。
- 建物の屋根の下:井桁型+並列型
- 両端だけ井桁型にすることで、限られたスペースで崩さずに置けます。
- 屋根/カバー付きの薪棚:並列型
- 一番コンパクトな積み方なので、薪棚の数を最低限に抑えることができます。
- 防水シートの下:井桁型
- 使えるスペースが広いはずなので、最も乾燥しやすい井桁型をおすすめします。
ポイント③|地面との空間を確保する
土の上に直接置くと、以下のことが起こります。
- 土の水分に影響されて乾燥が進みにくくなる
- 虫を寄せ付けやすくなる
地面がコンクリートの場合はそのままでも良いですが、土の場合はパレットか薪棚を使用しましょう。
薪を地面から15cmほど離すのが理想です。
薪の置き場所ごとの、おすすめの置き方は以下です。
- 建物の屋根の下に置く場合
- 地面がコンクリートの場合はそのままでも良いですが、土の場合はパレットを敷きましょう。
- 屋根/カバー付きの薪棚におく場合
- 薪棚自体が地面から離れるように設計されているのでそのままで大丈夫です。
- 防水シートの下に置く場合
- 地面がコンクリートならそのままでも良いですが、土の場合はパレットを敷きましょう。
まとめ
この記事では、広葉樹の種類(樹種)や選ぶポイントなどについて解説しました。
広葉樹にはたくさんの樹種がありますが、薪として使われる主な樹種は以下です。
- ポピュラー
- 種類①|ナラ
- 種類②|クヌギ
- 種類③|ケヤキ
- 種類④│サクラ
- レア
- 種類⑤|カシ
- 種類⑥|ウメ
- 種類⑦|リンゴ
さらに、以下のポイントを意識しながら選ぶことで、薪ストーブや焚き火でより質の高い炎を堪能できます!
- ポイント①|薪の樹種で選ぶ
- ポイント②|薪の太さで選ぶ
- ポイント③|薪の長さで選ぶ
- ポイント④|薪の乾燥度を選ぶ
薪の知識を身につけることで、より一層充実した時間を楽しみましょう!
▼「焚き火や薪ストーブに最適な薪が欲しい」という方におすすめ!
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