薪ストーブや焚き火を楽しむ人にとって「どんな薪が長く燃えるのか?」という疑問は非常に重要です。
火持ちのよい薪を選べば、薪を頻繁にくべる手間が減り、快適な炎を長時間楽しめます。
しかし、薪にはさまざまな種類があり、どれを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。
本記事では、火持ちのよい薪をランキング形式で紹介し、それぞれの特徴や見分け方についても解説します。
広葉樹と針葉樹の違いや、樹皮や重さによる見分け方を知ることで、自分に最適な薪を選べるようになります。
効率的に薪を活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
- 薪の種類とは?
- 薪の見分け方
- 火持ちのよい薪ランキング
- 薪の燃焼時間の目安
▼「焚き火のやり方から知りたい」方は下記をご覧ください。
薪の種類とは?
薪には大きく分けて、広葉樹と針葉樹の2種類があります。
それぞれに特徴がありますので、詳しく解説していきます!
▼「薪の選び方を詳しく知りたい」方は下記をご覧ください。
種類①|広葉樹

画像引用元: 楽天市場
広葉樹は、比重(密度)が高く硬いのが特徴で、火持ちがよく長時間安定した燃焼が続きます。
また、炎が穏やかで煙も少ないため薪ストーブでの使用に最適です。
広葉樹の代表的な樹種は、以下の通りです。
樹種名 | 比重(密度) |
---|---|
シイ(スダジイ) | 0.85 |
クヌギ | 0.8 |
カエデ(イタヤカエデ) | 0.72 |
ケヤキ | 0.7 |
サクラ(ヤマザクラ) | 0.66 |
ナラ(ミズナラ・コナラ) | 0.65 |
ブナ | 0.65 |
クスノキ | 0.57 |
クリ | 0.55 |
ホウノキ | 0.42 |
▼「おすすめの広葉樹の薪を知りたい」方は下記をご覧ください。
▼「広葉樹の薪が割れなくて困っている」方は下記をご覧ください。
種類②|針葉樹

画像引用元: 楽天市場
針葉樹は繊維が柔らかく比重(密度)が低いため、比較的軽いのが特徴です。
燃焼しやすく火付きが良いため、焚き付け用の薪として重宝されます。
ただし、ヤニを多く含むため煙が多くなりやすく、薪ストーブでの使用には注意が必要です。
針葉樹の代表的な樹種は、以下の通りです。
樹種名 | 比重(密度) |
---|---|
マツ(クロマツ) | 0.65 |
マツ(アカマツ) | 0.6 |
カラマツ | 0.59 |
コウヤマキ | 0.5 |
ツガ | 0.45 |
エゾマツ | 0.45 |
トドマツ | 0.42 |
ヒノキ | 0.41 |
モミ | 0.4 |
スギ | 0.38 |
薪の種類の見分け方とは?
薪の種類を見分けるには、以下の3つの方法を押さえることが重要です。
- 見分け方①|樹皮
- 見分け方②|重さ
- 見分け方③|炎の様子や匂い
見分け方①|樹皮

薪の種類を見分ける際に、まず注目すべきなのが樹皮の特徴です。
広葉樹の薪は、樹皮が厚くてゴツゴツしており、手で触るとしっかりした感触があります。
一方、針葉樹の薪は、樹皮が薄く、繊維が縦に走っていて、剥がれやすい傾向があります。
見分け方②|重さ
同じ大きさの薪でも、重さの違いで種類を見分けることができます。
広葉樹の薪は密度が高いため、持ち上げるとずっしりと重く感じます。
一方、針葉樹の薪は密度が低く比較的軽いため、手に取った際にふわっとした感触があります。
見分け方③|炎の様子や匂い

薪を燃やした際の炎の様子や匂いも、種類を見分ける重要なポイントです。
広葉樹の薪は、燃焼が穏やかで火持ちが良く、煙が少ないのが特徴です。
また、種類によっては甘い香りや芳ばしい香りが漂うことがあります。
たとえば、サクラは焚き火で燃やすとほのかに甘い香りがすることで知られています。
一方、針葉樹の薪は、火付きがよく、勢いよく燃え上がります。
しかし、ヤニが多いため、煙が多くなりがちです。
特にマツは煙突にヤニが溜まりやすいため、薪ストーブでの使用には注意が必要です。
火持ちのよい薪ランキング
薪は、その樹種の比重(木の密度)が高いため火持ちが良くなります。
火持ちのよい薪をランキング形式で解説していきます。
順位 | 樹種名 | 比重 | 種類 | 手に入りやすさ |
---|---|---|---|---|
1位 | ウバメガシ | 0.99 | 広葉樹 | ◯ |
2位 | リュウキュウコクタン | 0.94 | 広葉樹 | △ |
3位 | イスノキ | 0.93 | 広葉樹 | △ |
4位 | アラカシ | 0.89 | 広葉樹 | ◯ |
5位 | アカガシ | 0.87 | 広葉樹 | ◯ |
6位 | クヌギ | 0.85 | 広葉樹 | ◎ |
7位 | ツゲ | 0.85 | 広葉樹 | △ |
8位 | ヒイラギ | 0.83 | 広葉樹 | △ |
9位 | シラカシ | 0.83 | 広葉樹 | ◯ |
10位 | ウメ | 0.81 | 広葉樹 | ○ |
11位 | ニセアカシア | 0.77 | 広葉樹 | △ |
12位 | コナラ | 0.76 | 広葉樹 | ◎ |
▼「火持ちのよい広葉樹をお得に手に入れたい」方は下記をご覧ください。
ウバメガシ(比重 0.99)

画像引用元: 楽天市場
ウバメガシは、木材にもかかわらず水に沈むほど緻密で硬いのが特徴です。
国内樹木の中で比重が最も高いため、最高レベルに火持ちします。
関東以西の沿岸部や低山に見られる樹種で、地域が限られているため貴重な樹種です。
木炭の中の最高級品である「備長炭」に使われる樹種ですが、伐採から時間が経過しすぎてしまったり、サイズが合わないものは薪として販売されることがあります。
リュウキュウコクタン(比重 0.94)

リュウキュウコクタンは、別名ヤエヤマコクタンとも言われる主に沖縄県で見られる樹種です。
沖縄の方言では「クルキ」「クルチ」などと呼ばれています。
幹の中心部が黒くて非常に堅いことから、沖縄県の伝統的な弦楽器である三線の最高級の材料として使われています。
堅いということは燃える部分が多いということになりますから、火持ちもかなり良いです。
地域が限られるため薪として販売されることは珍しいです。
イスノキ(比重 0.93)

イスノキは主に沖縄県で見られる樹種で、トップクラスの堅さと重さを誇る木です。
沖縄県の伝統的な弦楽器である三線の材料として有名です。
堅いということは燃える部分が多いということになりますから、火持ちもかなり良いです。
地域が限られるため薪として販売されることは珍しいです。
アラカシ(比重 0.89)

画像引用元: 楽天市場
アラカシはカシの仲間で最も広い範囲に分布しているため薪として手に入りやすく、その中では最高レベルに火持ちします。
カシといえば、関東地方ではシラカシ、関西地方ではアラカシ、四国や九州ではアカガシを指すことが多いです。
生産地をもとに判断しましょう。
アカガシ(比重 0.87)

画像引用元: 楽天市場
アカガシは、1位のウバメガシや4位のアラカシと同じくカシの一種で堅さが特徴的なのでとても火持ちします。
カシといえば、関東地方ではシラカシ、関西地方ではアラカシ、四国や九州ではアカガシを指すことが多いです。
生産地をもとに判断しましょう。
クヌギ(比重 0.85)

画像引用元: 楽天市場
クヌギは熾火になってからの火力も強いことから「最高級の薪」といわれています。
薪を投入する際に少々重さを感じますが、燃焼時間が長いため薪を継ぎ足す回数を減らすことが可能です。
暖炉や薪ストーブで室内を長時間暖めたい時などにおすすめです。
ツゲ(比重 0.85)

ツゲは、ずしりと重く比重が大きい最高の薪になります。
堅い材質なので、とてもよく火持ちします。
大きく育つまでに時間がかかるため昔から高級品として扱われていて、薪として販売されることは少ないです。
かなり堅く水を吸収しにくいため、昔は入れ歯の材料として使っていたそうです!
ヒイラギ(比重 0.83)

ヒイラギは、福島県以南に分布する樹種で、葉のトゲが特徴的なことから厄除けとして使われてきました。
比重が高いので火持ちしますが、幹は枝分かれが多く直径は最大でも30cmほどなので薪として販売されることは少ないです。
シラカシ(比重 0.83)

シラカシは、国内有数の堅さと重さを誇る樹種でかなり火持ちします。
弾力と耐湿性もあるため、建築材、船舶材、木刀や楽器等に幅広く利用されています。
カシといえば、関東地方ではシラカシ、関西地方ではアラカシ、四国や九州ではアカガシを指すことが多いです。
生産地をもとに判断しましょう。
ウメ(比重 0.81)

梅は、広葉樹の中でも特に比重(木の密度)が大きいため火持ちします。
梅の比重は、広葉樹の代表ナラの比重の約1.2倍、針葉樹の代表スギの比重の約2倍。
穏やかな優しい炎が長く続くので、眺めているだけで癒やされます!
さらに熾火も長持ちするので、じんわり暖かい時間も満喫できます。
燃焼効率が高く、一般的な広葉樹と比較して灰が少なく片付けが簡単。
そのため、食材に灰がつきにくく料理に使いやすいのも特徴。
ニセアカシア(比重 0.77)
ニセアカシアは、日本では単にアカシアと呼ばれることが多い樹種です。
街路や公園に使われることが多く、丈夫で成長の早い樹種です。
カシほど流通量は多くないですが薪として手に入れることも可能です。
日本に来たのは明治初期で、北海道の開拓使が北米から輸入して札幌農学校の畑に植えたのが起源らしいです。
コナラ(比重 0.76)

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ナラは暖炉や薪ストーブに使う薪の代名詞で、燃焼スピードが遅いため灰の出る量も少なくメンテナンスがしやすいです。
大割の薪を使用すると、約2~3時間程度は薪ストーブの適正温度を保てます。
就寝前などに十分にくべれば朝まで種火が残り、すぐに火を起こすことが可能です。
幅広い地域で手に入れやすいです。
薪の平均的な燃焼時間はどのくらい?
焚き火の場合、ファミリー向けの焚き火台で広葉樹の薪は1束で3〜4時間、針葉樹の薪は1束で1〜2時間が燃焼時間の目安です。
薪ストーブの場合、広葉樹の薪3本で3~4時間が燃焼時間の目安です。
火持ちのよい薪を使えば、さらに長い燃焼時間で焚き火も薪ストーブを楽しむことができます!
まとめ
薪ストーブや焚き火を楽しむ人にとって「どんな薪が長く燃えるのか?」という疑問は非常に重要です。
火持ちのよい薪を選べば、薪を頻繁にくべる手間が減り、快適な炎を長時間楽しめます。
しかし、薪にはさまざまな種類があり、どれを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。
本記事では、火持ちのよい薪をランキング形式で紹介し、それぞれの特徴や見分け方についても解説しました。
広葉樹と針葉樹の違いや、樹皮や重さによる見分け方を知ることで、自分に最適な薪を選べるようになります。
効率的に薪を活用していきましょう!
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