薪ストーブや焚き火などで使う薪を割る際、鉈(ナタ)はそのコンパクトさと扱いやすさから、初心者にもベテランにも人気のツールです。
しかし、正しい使い方や適切な鉈の選び方を知らないと、怪我や工具の劣化に繋がることも。
本記事では、鉈を使った安全で効率的な薪割り方法を詳しく解説し、初心者にも安心して使えるおすすめの鉈もご紹介します。
さらに、鉈を長く使い続けるための保管方法や注意点も取り上げます。
薪割りをより快適に、そして安全に楽しみたい方はぜひ参考にしてください。
- 鉈(ナタ)とはどのような道具か
- 鉈を使った正しい薪割りの手順
- 薪割り鉈を選ぶポイント
- おすすめの薪割り鉈3選
- 鉈を長持ちさせる保管方法と法律上の注意点
▼「焚き火のやり方から知りたい」方は下記をご覧ください。
鉈とは?斧やナイフとの違いは?

画像引用元: 楽天市場
鉈(ナタ)とは、片手での使用を想定されており斧・手斧よりも刃が薄く刃渡りが長いものです。
ナタを使うのに適しているシーンは以下です。
- 直径20cm以下の細い薪を割るとき
- 薪の樹皮をはがすとき
- 枝打ち(木の枝を幹から切り落とすこと)をするとき
- 木を削るとき
- 雑草を切り払うとき
なお、ナイフや斧との違いは下記表の通りです。
ナタ | ナイフ | 斧 | |
---|---|---|---|
用途 | 中型の薪割り | 小型の薪割り | 中〜大型の薪割り |
特徴 | 刃がナイフより広く、全体のサイズは斧より小さい | いわゆるナイフの形 | 長い柄を持ち、刃はクサビ形 |
メリット | 持ち運びしやすい | 持ち運びしやすい | 大型の薪を効率良く割れる |
デメリット | 大型の薪には向かない 切断力は斧ほど強くない | 中〜大型の薪には向かない 耐久性が斧やナタより低い | 持ち運びしにくい 初心者には扱いが難しい |
▼「ナイフや斧で薪を割る方法を知りたい」方は下記をご覧ください。
鉈で薪を割る方法
鉈(ナタ)を使用して薪を割る際は、安全かつ効率的に進めるために以下のステップで行います。
- STEP①|服装の準備
- STEP②|安定した薪割り台の用意
- STEP③|薪割り台に薪を立て、薪の上にナタを添える
- STEP④|ナタの背を太めの薪でたたく
▼「広葉樹薪のおすすめランキングを知りたい」方は下記をご覧ください。
STEP①|服装の準備
ケガ予防のため、手元と足元を整えましょう。
- 利き手
- ナタがすべらないよう素手にしましょう。
- 利き手と反対側の手
- ケガ予防のため、革グローブを着用しましょう。
- 足元
- ケガ予防のため、しっかりとしたスニーカーやブーツを履きましょう。
- 夏場など短パンの場合は、足元を隠すエプロンを着用しましょう。
STEP②|安定した薪割り台の用意
薪割りを始める前に最も重要なことは、安定した作業台として薪割り台を準備することです。
薪割り台が必要な理由は、主に3つあります。
- 鉈の刃こぼれ予防のため
- コンクリートや砂利の上で割ると、勢い余って斧で地面を叩いてしまうことがあります。
- ケガの予防のため
- 斧が弾かれて手を傷めたり自分の足を傷つけたりすることがあります。
- 効率良く力を加えるため
- 土や芝生などの柔らかい場所に置いて割ると力が分散されてしまいます。
▼「おすすめの薪割り台を知りたい」方は下記をご覧ください。
STEP③|薪割り台に薪を立て、薪の上にナタを添える

以下の手順で行います。コツもおさえましょう!
- 薪割り台に薪を立てる
- 薪の端を片手で軽く持ち、もう一方の端を作業台にしっかりと接触させることで、薪を安定させることができます。
- 薪を持つ手を遠くに伸ばす
- 万が一ナタが滑った場合でも、手が直接危険に晒されずに済みます。
- 薪の中心線が木目の方向になるように薪の向きを変える
- 木目に沿ってナタを当てることで簡単に割ることができます。
- ナタの刃を薪の中心線に添える
STEP④|ナタの背を太めの薪でたたく
ナタの刃を薪に添えた状態で、ナタの背(刃の反対側)を他の薪などで力強くたたきます。
この動作によりナタが薪に深く食い込み、薪を効率的に割ることができます。
ナタを薪に固定した状態で薪ごとナタを持ち上げ、薪割り台に向かって一気にナタと薪を打ち下ろす方法も効果的です。
ナタが直線的に移動するようにし、力を均等に分配することがポイントです。
また、安全に薪を割るために以下を気をつけましょう。
- ナタをたたく際には直接手でたたかず、必ず薪や打ち木を使用しましょう。
- 手を保護し、より大きな力をナタに伝えることができます。
- 常にハンドルが刃よりも下の位置にある状態にしましょう。
- 自分のほうに刃が向かないので安全です。
- 薪を割る際は周囲に人がいないか確認しましょう。
- 人に当たらないようにしましょう。
薪割り鉈を選ぶポイント
ナタを選ぶポイントは4つあります。
それぞれについて解説していきます。
- ポイント①|刃全体の形状
- ポイント②|刃が付く面
- ポイント③|刃渡りの長さ
- ポイント④|重量
- ポイント⑤|柄の形状
ポイント①|刃全体の形状

ナタには、刃全体の形状について2種類あります。
薪割りに特化する場合は腰ナタ、幅広い用途に使いたい場合は剣ナタがおすすめです。
- 腰ナタ
- 刃が長方形
- 重みがあり薪を割りやすい
- 剣ナタ
- 刃の先端が尖っている
- 薪を割る以外にも、調理・木工・ロープの切断等にも使いやすい
ポイント②|刃が付く面

刃が付く面について2種類あります。初心者の方は両刀タイプ一択です!
- 両刀タイプ
- 右左面の両方に刃が付いている
- 薪を割りやすい
- 右利き・左利きを問わずに使いやすい
- 片刀タイプ
- 片面にのみ刃がついている
- 細かい作業をする際に便利だが、刃の使い方にはコツがいるので上級者向け
- 利き手によって使い分ける必要がある
ポイント③|刃渡りの長さ
おすすめの刃渡りの長さは、標準サイズの150mm~180mmです。
刃渡りが長い(180mm以上)ほうが薪割りしやすいですが、重くなり収納しにくくなるので持ち運びには不便です。
一方、刃渡りが短い(150mm以下)と薪割りしにくいです。
刃渡りが長い | 刃渡りが短い | |
---|---|---|
薪割りのしやすさ | ◯ | △ |
持ち運びしやすさ | △ | ◯ |
ポイント④|重量
おすすめの重量は、約500g~600gです。
木を割る時は力ではなくナタの重さで割りますので、重量も大切です。
重量のあるナタは、薪にしっかりと食い込むことができ薪割りには最適です。
しかし、あまりにも重いと腕や手首に負担が掛かかったり、持ち運びしにくいので注意です。
ポイント⑤|柄の形状

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柄とは持ち手の部分のことで、おすすめの柄の形状の条件は以下です。
- 刃に近いほど柄が細くなっているもの
- 木の枝そのものやプラスチックなど、デザイン性の高くないもの
上記を満たしているナタは少ない力で扱いやすいため腕が疲れにくく、手が滑ってケガしてしまうリスクも減らすことができます。
薪割り鉈のおすすめ3選
薪割りに特化した鉈のおすすめ3つをご紹介します。
刃長 | 刃厚 | 価格* | |
---|---|---|---|
①薪割り鉈 | 125mm | 4mm | 2,508円 |
②ユニフレーム ちび鉈 | 70mm | 6mm | 12,100円 |
③ロゴス 鉈 | 127mm | 5.5mm | 20,900円 |
おすすめ①│薪割り鉈

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この薪割り鉈は、キャンプでの薪割りや焚き付け加工に便利なアイテムです。
フルタング仕様で耐久性が高く、握りやすい溝付きハンドルと保護ケース付きで初心者でも安心して使えます。
焚き火を楽しむための頼れる万能刃物として、アウトドア好きにおすすめの一本です!
刃長 | 刃厚 | 価格* |
---|---|---|
125mm | 4mm | 2,508円 |
コスパ重視の方に!
おすすめ②│ユニフレーム ちび鉈

画像引用元: 楽天市場
ユニフレーム TSURUBAMI ちび鉈は、薪割りに最適な片刃の蛤刃を採用し、「叩き切る」「叩き割る」作業に高い性能を発揮します。
特殊構造のナイロンシースは刃の当たりに強く、安全に縦横どちらの方向でも収納可能で、持ち運びも快適。
真鍮製ロゴプレートが付いたおしゃれなデザインと実用性を兼ね備えた、高品質なアウトドアギアです。
刃長 | 刃厚 | 価格* |
---|---|---|
70mm | 6mm | 12,100円 |
おしゃれなデザイン重視の方に!
おすすめ③│ロゴス 鉈

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ロゴス ブッシュクラフト フルタング ナタは、土佐の老舗鍛冶屋と共同開発した薪割りやブッシュクラフトに最適な本格ナタです。
フルタング構造とサビに強いステンレス鋼を採用し、耐久性と実用性を両立。
耐衝撃性や耐水性に優れたG10ハンドルと、片手で簡単に抜き差し可能なカイデックスシースで安全性と使いやすさも抜群です。
両刃構造で利き手を選ばず、細かい作業もこなせるデザインが特徴。
薪割りから調理まで幅広く使える、高品質な一本です!
機能性重視の方に!
刃長 | 刃厚 | 価格* |
---|---|---|
127mm | 5.5mm | 20,900円 |
鉈を保管するポイント
鉈を保管するにあたり、気をつけるポイントが2つあります。
それぞれについて解説していきます。
- ポイント①|長持ちさせるために
- ポイント②|銃刀法に違反しないために
ポイント①|長持ちさせるために

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鉈は、使用後にきちんとお手入れすれば長く使うことができます。
長持ちさせるポイントは以下です。
- 使い終えた後はよく洗って完全に乾かして保管しましょう。
- 使わない期間が長くなりそうな時は、サビ防止のために刃に植物性の油を塗って新聞紙に包んで保管しましょう。
- 切れ味が落ちてきた場合は砥石を使って刃を研ぎましょう。
ポイント②|銃刀法に違反しないために
銃刀法とは、銃砲や刀剣類を正当な理由なく所持することを禁止する法律のことです。
刃渡り6㎝以上の刃物が対象になり、違反になった場合は刑事罰(2年以下の懲役・または30万円以下の罰金)になります。
違反しないように以下2点を気をつけましょう。
- 刃をむき出しで携帯しないこと
- 外から見えないようにしっかり収納しましょう。
- 刃物を車に積んだまま別の用事に出かけないこと
- 薪割りという正当な理由なく刃物を所持していることになるためです。
- 自宅の敷地内であれば問題ありません。
まとめ
薪ストーブや焚き火などで使う薪を割る際、鉈(ナタ)はそのコンパクトさと扱いやすさから、初心者にもベテランにも人気のツールです。
しかし、正しい使い方や適切な鉈の選び方を知らないと、怪我や工具の劣化に繋がることも。
本記事では、鉈を使った安全で効率的な薪割り方法を詳しく解説し、初心者にも安心して使えるおすすめの鉈もご紹介しました。
さらに、鉈を長く使い続けるための保管方法や注意点も取り上げました。
薪割りをより快適に、そして安全に楽しんでください!
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