焚き火で、火をつけるのに苦労したり火がすぐに消えてしまったり、煙が目に染みて楽しめなかった経験はありませんか?
焚き火を成功させるには薪選びが重要な鍵となります。
しかし、一口に薪と言っても、その種類や特徴は様々。
どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
この記事では、薪の種類を針葉樹と広葉樹の2つに分け、それぞれの特徴や見分け方、選び方のポイントを詳しく解説します。
適切な薪を選ぶことで、火起こしが楽になり、焚き火を長時間楽しむことができます。
この記事を読めば、あなたも薪選びの達人!
次回のキャンプでは、自信を持って最適な薪を選び、快適な焚き火体験を満喫できるはずです。
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薪は大きく2種類
薪は、大きく下記の2種類があります。
それぞれの特徴について解説します。
針葉樹 | 広葉樹 | |
---|---|---|
火付きの良さ | ★★★ | ★★☆ |
火持ち(燃焼時間) | ★★☆ | ★★★ |
おすすめシーン | 短時間の焚き火 最初の火付け | 長時間の焚き火 熾火を使った料理 |
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種類①|針葉樹
針葉樹とは、葉が針のように細長く空に向かってまっすぐ育つ樹木のことです。
針葉樹の薪は、油分を含むので火付きがよく、大きな炎があがります。
しかし、比重(水を1とした場合の、同じ体積に対する重さ)が小さいため、燃焼時間は短いです。
そのため、焚き火や薪ストーブを短時間で楽しみたい場合や、長時間で楽しみたい場合の最初の火付けに最適です。
種類②|広葉樹
広葉樹とは、葉が広く平たい樹木のことです。
広葉樹の薪は、針葉樹に比べると油分が少ないので火付きは悪く、穏やかな炎があがります。
しかし、比重(水を1とした場合の、同じ体積に対する重さ)が大きいため、一度火がつくと、燃焼時間が長く、熱を長時間保持することができます。
そのため、焚き火や薪ストーブを長時間楽しみたい場合や、熾火(おきび。炎が落ち着いた後の炭のような状態)で料理を楽しみたい場合に最適です。
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針葉樹と広葉樹の見分け方
針葉樹と広葉樹は、以下の3つのポイントで見分けることができます。
針葉樹 | 広葉樹 | |
---|---|---|
樹皮 | 薄く、剥がれやすい | 厚く、ゴツゴツしている |
年輪 | はっきりとしている | 不明瞭 |
重さ・硬さ | 軽い・柔らかい | 重い・硬い |
見分け方①|樹皮
針葉樹 | 広葉樹 |
---|---|
薄く、剥がれやすい | 厚く、ゴツゴツしている |
例えば、針葉樹であるスギやヒノキの樹皮は薄く、手で簡単に剥がすことができます。
一方、広葉樹であるナラやカシの樹皮は厚く、ゴツゴツとした感触です。
見分け方②|年輪
針葉樹 | 広葉樹 |
---|---|
はっきりとしている | 不明瞭 |
針葉樹は成長が早いため、年輪の間隔が広くはっきりと見えます。
一方、広葉樹は成長が遅いため、年輪の間隔が狭く不明瞭です。
見分け方③|重さ・硬さ
針葉樹 | 広葉樹 |
---|---|
軽い・柔らかい | 重い・硬い |
針葉樹は、広葉樹に比べて密度が低いため、軽く柔らかいのが特徴です。
一方、広葉樹は密度が高いため、重く硬いです。
薪にしてはいけない種類
中には、薪として使用してはいけない木の種類もあります。
- 種類①|ヤマウルシ
- 種類②|キョウチクトウ
種類①|ヤマウルシ
ヤマウルシには「ウルシオール」という有毒物質が含まれており、焚き火などで燃やすとウルシオールが含まれた煙が発生します。
その煙を吸い込むと、アレルギー反応を起こし呼吸困難になります。
ヤマウルシにはツタもあるので、一緒に燃やさないようにしましょう。
また、ヤマウルシに触れただけでも皮膚がかぶれて痒みが生じるので、触らないように注意してください。
種類②|キョウチクトウ
キョウチクトウに含まれる「オレアンドリン」という毒素には、青酸カリよりも強い毒性があるとされています。
また、キョウチクトウの毒は即効性があるため、中毒症状がすぐに現れることも覚えておきましょう
中毒症状としては、吐き気・めまい・嘔吐などの症状が挙げられます。
たとえ乾燥させたとしても毒素は残ったままなので、絶対に焚き火に使用してはいけません。
おすすめの樹種ランキング
下記に、針葉樹と広葉樹それぞれのおすすめの樹種を紹介します。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 | ||
---|---|---|---|---|---|
針葉樹 1位 | スギ | ◯ | △ | ◯ | 0.38 |
針葉樹 2位 | ヒノキ | ◯ | △ | ◎ | 0.41 |
針葉樹 3位 | マツ | ◎ | △ | ◯ | 0.52 |
広葉樹 1位 | カシ | △ | ◎ | ◯ | 0.83 |
広葉樹 2位 | クヌギ | △ | ◎ | ◯ | 0.82 |
広葉樹 3位 | ナラ | △ | ◯ | ◯ | 0.68 |
種類①|針葉樹
針葉樹でおすすめの樹種を3つ紹介します。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 | |
---|---|---|---|---|
スギ | ◯ | △ | ◯ | 0.38 |
ヒノキ | ◯ | △ | ◎ | 0.41 |
マツ | ◎ | △ | ◯ | 0.52 |
針葉樹1位|スギ
スギは軽く柔らかいため、斧や鉈で薪が割りやすく持ち運びしやすいです。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 |
---|---|---|---|
◯ | △ | ◯ | 0.38 |
針葉樹2位|ヒノキ
ヒノキは檜風呂などでも知られる高級建築材で、香りがとても良いです。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 |
---|---|---|---|
◯ | △ | ◎ | 0.41 |
針葉樹3位|マツ
マツは油分(マツヤニと呼ばれる)を多く含むため、針葉樹の中でも特に火付きが良いです。
薪ストーブで使用する場合は、油分が煙突に堆積しやすいので注意です。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 |
---|---|---|---|
◎ | △ | ◯ | 0.52 |
種類②|広葉樹
広葉樹でおすすめの樹種を3つ紹介します。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 | |
---|---|---|---|---|
カシ | △ | ◎ | ◯ | 0.83 |
クヌギ | △ | ◎ | ◯ | 0.82 |
ナラ | △ | ◯ | ◯ | 0.68 |
▼「広葉樹についてもっと詳しく知りたい!」という方はこちら▼
▼「火持ちのする広葉樹の薪のランキングを知りたい!」という方はこちら▼
広葉樹1位|カシ
カシは非常に硬いため薪割りが大変ですが、その分火持ちがよいです。
「薪の王様」と呼ばれています。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 |
---|---|---|---|
△ | ◎ | ◯ | 0.83 |
広葉樹2位|クヌギ
クヌギは非常に密度が高く、硬く火持ちがよいのが特徴です。
「最高級の薪」と呼ばれています。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 |
---|---|---|---|
△ | ◎ | ◯ | 0.82 |
広葉樹3位|ナラ
ナラはどんぐりの木でお馴染みの木で、カシ・クヌギに比べて手に入りやすいです。
火付き | 火持ち | 香り | 比重 |
---|---|---|---|
△ | ◯ | ◯ | 0.68 |
薪を選ぶポイント
薪を選ぶポイントは下記4点です。それぞれについて詳しく解説します。
- ポイント①|薪の樹種で選ぶ
- ポイント②|薪の太さで選ぶ
- ポイント③|薪の長さで選ぶ
- ポイント④|薪の乾燥度を選ぶ
ポイント①|薪の樹種で選ぶ
焚き火や薪ストーブを短時間楽しみたい場合は針葉樹がおすすめです。
火が消えるのが早いので後片付けが楽です。
長時間楽しみたい場合は、火付けには針葉樹を使い、その後は燃焼時間が長い広葉樹がおすすめです。
なお、処理されていない天然木を選ぶことが基本です。
塗料や化学物質が含まれる木材は、有害な煙やガスを放出する可能性があるため避けましょう。
ポイント②|薪の太さで選ぶ
細い薪(直径5cm以下)は、燃焼時間は短いですが、空気が取り込みやすいので火付けのときに最適です。
太い薪(直径10cm以上)は、一度火がつくと長時間燃え続けるため、持続的に熱を供給したいときに最適です。
最初から、細い薪と太い薪を購入するか、太い薪だけを買って斧で割りましょう。
- 細い薪(直径5cm以下)
- 火付けのときに
- 太い薪(直径10cm以上)
- 持続的に燃やしたいときに
▼「薪割りの方法を詳しく知りたい!」という方はこちら▼
ポイント③|薪の長さで選ぶ
焚き火台や薪ストーブのサイズにおさまる長さで選びましょう。
30cmが基本サイズですが、ソロ用の焚き火台を使う場合は長すぎることもあるので注意しましょう。
ポイント④|薪の乾燥度で選ぶ
しっかり乾燥された薪を使いましょう。
乾燥していない薪を使うと、水分を蒸発させるためにエネルギーを使ってしまうので燃焼効率が悪く、煙が出たり爆ぜたりする原因になります。
乾燥しているかのチェックポイントは以下です。
- 持ったときにヒンヤリしないか
- 薪同士をたたいたときに軽い音がするか
しっかり乾燥度を測りたい場合は、含水計を使うのもおすすめです。
乾燥が不十分な場合は、焚き火台にたてかけると早く乾燥が進みます。
▼「自宅で薪を乾燥させるのに必要な薪棚のおすすめを知りたい!」という方はこちら▼
まとめ
薪には大きく以下の2種類があり、これらをうまく使い分けるのがおすすめです。
- 針葉樹
- 油分を含むので火付きがよく、大きな炎があがります。
- 広葉樹
- 針葉樹に比べると油分が少ないので火付きは悪く、穏やかな炎があがります。
焚き火や薪ストーブを短時間楽しみたい場合は針葉樹がおすすめです。
長時間楽しみたい場合は、火付けには針葉樹を使い、その後は燃焼時間が長い広葉樹がおすすめです。
それ以外にも、太さや長さ、乾燥度を基準にして選べば、より一層焚き火や薪ストーブを楽しむことができます!
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