薪作りに欠かせないチェーンソー。
しかし、「どのチェーンソーを選べばいいかわからない」「初心者でも扱いやすいモデルはあるか」など、疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、薪作りのプロが厳選した実際の作業に役立つチェーンソーを紹介します。
この記事を読めば、自分にぴったりのチェーンソーを見つけ、スムーズに薪作りを始めることができます。
さらに、チェーンソーが活躍する具体的な場面や作業手順についても詳しく解説していきます。
- 薪作りでチェーンソーが役立つ場面と具体的な手順
- 薪作りに適したチェーンソーの種類
- 薪のプロが厳選したおすすめチェーンソー9選
- チェーンソー以外に必要な道具一覧
薪作りでチェーンソーが役立つ場面は?

薪を作るとき、チェーンソーは下記2つの場面で役に立ちます。
- 場面①|伐採
- 場面②|玉切り
各場面で、具体的にどのようにチェーンソーが役立つのかを解説していきます。
場面①|伐採
一つ目の、薪割りでチェーンソーが役立つ場面は「伐採」です。
伐採は下記の手順で進めます。
チェーンソーを使うのは「手順③|受け口を作る」「手順④| 追い口を作る」です。
- 手順①|木を倒す方向を決める
- 手順②|倒す方向に重心を調整
- 手順③|受け口を作る
- 手順④|追い口を作る
- 手順⑤|木を倒す
手順①|木を倒す方向を決める
木を倒す方向を決める際には、以下の条件を満たす必要があります。
- 風向きと逆方向ではない
- 人がいる方向に倒れないようにするため
- 障害物がない
- 木が折れないようにするため
- 斜面ではない
- 木が落ちてしまわないようにするため

手順②|倒す方向に重心を調整
倒す方向と逆側の枝を高枝切りバサミで切り落としましょう。
そうすることで、人がいる方向に木が倒れずに済みます。

手順③|受け口を作る
チェーンソーを使って受け口を作っていきます。
受け口の角度は木が倒れ込むスペースで、角度が30-40度になるのが理想です。
- 木を倒す方向の側面に、木の直径の1/4以上の深さまで水平に切り込みを入れる
- 切り込みを入れた箇所より少し上から地面の方向に向かって、斜めに切り込みを入れる

手順④|追い口を作る
チェーンソーを使って追い口を作っていきます。
追い口を作ることで、受け口側に木が倒れ込みやすくなります。
- 受け口の反対側に、受け口の2/3の高さのところに水平に切り込みを入れる
- 受け口と同じ高さのところから水平に切り込みをいれる

手順⑤|木を倒す
追い口のほうから木を押すと倒れます。
場面②|玉切り

もう一つの、薪割りでチェーンソーが役立つ場面は「玉切り」です。
玉切りとは調達した原木を一定間隔の長さに切り揃えることで、下記の手順で行います。
チェーンソーを使うのは「手順②|印部分を切る」です。
- 手順①|切る長さに印を付ける
- 手順②|印部分を切る
手順①|切る長さに印をつける
切りたい場所にチョークを使って印をつけます。
薪ストーブや普通サイズの焚き火台に入れやすい30cmがおすすめです。
手順②|印部分を切る
印の部分をチェーンソーで切っていきます。
薪作りで必要なチェーンソーの種類
チェーンソーには大きく分けて下記の3種類あります。
- 種類①|電源コード式
- 種類②|充電式
- 種類③|エンジン式
表で比較すると下記のようになります!
それぞれを詳しく解説していきます。
電源コード式 | 充電式 | エンジン式 | |
---|---|---|---|
騒音の小ささ | ◯ | ◯ | △ |
メンテナンスの楽さ | ◯ | ◯ | △ |
起動の簡単さ | ◯ | ◯ | △ |
使用場所の自由さ | △ | ◯ | ◯ |
使用可能時間の長さ | ◯ | △ | ◯ |
パワーの大きさ | △ | △ | ◯ |
種類①|電源コード式

(画像引用元: 楽天市場 )
電源コード式チェーンソーのメリットは以下3点です。
- 騒音が小さい
- メンテナンスが楽
- 起動が簡単
エンジン式と比べるとはるかに騒音が小さいので、自宅の庭など町中でも使用しやすいです。
また、メンテナンスはガイドバー周辺の切り屑掃除と刃を研ぐだけなので、エンジン式と比べるとかなり楽です。
コンセントにプラグを挿して電源ボタンを押すだけで起動するのも嬉しいポイントです。
一方で、電源コード式チェーンソーのデメリットは以下2点です。
- 電源がある場所でしか長時間動かせない
- パワーがない
近くにコンセントさえあれば長時間動かせるので、ある程度の距離であれば延長コードでつなげますが、山での作業には向いていません。
また、直径30cm以上の木を切ろうとすると刃の回転が途中で止まってしまいます。
自宅に屋外用コンセントがある人におすすめです!
種類②|充電式

(画像引用元: 楽天市場 )
充電式チェーンソーのメリットは以下3点です。
- 騒音が小さい
- メンテナンスが楽
- 起動が簡単
電源コード式と同様、エンジン式と比べるとはるかに騒音が小さいので自宅の庭など町中でも使用しやすいです。
また、メンテナンスもガイドバー周辺の切り屑掃除と刃を研ぐだけなので、エンジン式と比べるとかなり楽です。
事前に充電しておくのを忘れさえしなければ、簡単に起動できます。
一方で、充電式チェーンソーのデメリットは以下2点です。
- 3-4時間充電して30分ほどしか動かせない
- パワーがない
山に入って使うことも可能ですが、あくまで軽作業のみとなります。
また、直径30cm以上の気を切ろうとすると刃の回転が途中で止まってしまいます。
自宅の薪割りスペースに、屋外用のコンセント人におすすめです!
種類③|エンジン式
エンジン式チェーンソーのメリットは以下2点です。
- どこでも動かせる
- パワーがある
動力となるエンジンが一体となっているので、場所を選ばずどこでも使えます。
山に入っての作業にもバッチリです。
一方で、エンジン式チェーンソーのデメリットは以下2点です。
- 騒音が大きい
- メンテナンスが大変
- 起動が大変
100デシベル程度の音(電車を通るときのガード下の音の大きさ)がするので、住宅街など町中での作業には向いていないです。
住宅街から離れた場所で作業する人におすすめです!
薪作りで役立つおすすめチェーンソー9選
下記の3種類それぞれについて、薪のプロがおすすめするチェーンソーを3つずつご紹介します。
- 種類①|電源コード式
- 種類②|充電式
- 種類③|エンジン式
種類①|電源コード式
電源コード式チェーンソーについて、薪のプロが厳選した3選をご紹介します!
重さ | バーの長さ | 価格 | |
---|---|---|---|
①マキタ M504 | 2.2kg | 35cm | 11,904円 |
②京セラ CS-3002 | 2.2kg | 30cm | 9,048円 |
③ハイコーキ CS35Y | 5.4kg | 35cm | 22,000円 |
おすすめ①|マキタ M504

(画像引用元: 楽天市場 )
Makita(マキタ)は日本の電動工具メーカーとして一番有名なので、ご存知の方も多いのでは?
国内メーカーなので修理にも出しやすく安心です。
小型かつ軽量にもかかわらず、ガイドバーは平均的な長さの35cmなので太めの木も切れます。
重さ | 2.2kg |
バーの長さ | 35cm |
価格 | 11,904円 |
小型かつ軽量なので、女性やご年配の人におすすめです!
おすすめ②|京セラ CS-3002

画像引用元: 楽天市場
ハーフトップハンドルタイプなので、バランスをとりやすいです。
小型かつ軽量ですが、ガイドバーの長さは30cmと少しだけ短めです。
京セラ独自のオイルリターン機構なので、長時間使っても故障しにくいです!
重さ | 2.2kg |
バーの長さ | 30cm |
価格 | 9,048円 |
長時間使い続ける想定の人におすすめです!
おすすめ③|ハイコーキ CS35Y

画像引用元: 楽天市場
他の2つと比べるとお値段が上がりますが、魅力的な特徴が盛り沢山です!
起動時の反動を抑える設計になっているので、身体への負担が小さいです。
ブレーキレバーが搭載されているので、不意なキックバック(使用中に回転中のソーチェーンが木材や障害物に当たって、ガイドバーが作業者のほうに跳ね返る現象)時にソーチェンをストップさせることができます。
危険も確実に回避!
重さ | 5.4kg |
バーの長さ | 35cm |
価格 | 22,000円 |
とにかく身体への負担を減らしたい人におすすめです!
種類②|充電式
充電式チェーンソーについて、薪のプロが厳選した3選をご紹介します!
重さ | バーの長さ | 価格 | |
---|---|---|---|
①ハスクバーナ 535i XP | 2.6kg | 30cm | 80,850円 |
②マキタ DUC353Z | 2.88kg | 20cm | 31,110円 |
③京セラ OCS1830 | 2.3kg | 25cm | 45,980円 |
おすすめ①|ハスクバーナ 535i XP

(画像引用元: 楽天市場 )
ハスクバーナは超有名な北欧のメーカーで、寒い地域でもよく動くように作られています。
薪ストーブシーズン直前に薪を追い込みで作りたいのにチェーンソーが動かなかった・・といったことを経験をせずに済みます!
バーは平均的な長さなのでオールマイティーに使えます。
重さ | 2.6kg |
バーの長さ | 30cm |
価格 | 80,850円 |
北海道〜東北の寒い地域にお住まいの人におすすめです!
おすすめ②|マキタ DUC353Z

(画像引用元: 楽天市場 )
Makita(マキタ)は日本の電動工具メーカーとして一番有名なので、ご存知の方も多いのでは?
国内メーカーなので修理にも出しやすく安心です。
バーは少し短めなので、細い木を切るときに最適です。
重さ | 2.88kg |
バーの長さ | 20cm |
価格 | 31,110円 |
コスパよりも、とにかく安心の国内有名メーカーで揃えたい人におすすめです!
おすすめ③|京セラ OCS1830

(画像引用元: 楽天市場 )
Kyocera(京セラ)は日本のメーカーなので修理にもすぐ出せて安心なうえに、なんといってもコスパが良いのが魅力です!
重さ | 2.3kg |
バーの長さ | 25cm |
価格 | 45,980円 |
国内メーカーの安心感とコスパを両立させたい人におすすめです!
種類③|エンジン式
エンジン式チェーンソーについて、薪のプロが厳選した3選をご紹介します!
重さ | バーの長さ | 価格 | |
---|---|---|---|
①ハスクバーナ 120e MarkII 14RT | 5.1kg | 35cm | 21,790円 |
②ハイガー HG-F5200Z | 5.5kg | 49cm | 18,980円 |
③京セラ ES-3035 | 5.4kg | 35cm | 31,043円 |
おすすめ①|ハスクバーナ 120e MarkII 14RT

画像引用元: 楽天市場
環境意識の高いスウェーデンのメーカーなので、排気ガスが少なく燃費もかなり良いです。
また、エアフィルターが汚れにくいような清浄化システムが導入されており、 メンテナンス頻度も最小限にできます!
防振ダンパーにより振動を吸収してくれるので、身体への負担も少なく安心です。
重さ | 5.1kg |
バーの長さ | 35cm |
価格 | 21,790円 |
燃費やメンテナンスなどの維持コストを抑えたい人におすすめです!
おすすめ②|ハイガー HG-F5200

(画像引用元: 楽天市場 )
ガイドバーの長さがプロ仕様の20インチ(49cm)なので、太い木も切れます。
さらに、パワフルエンジン搭載なので効率よくガンガン切れます!
にもかかわらずお手頃価格なのが魅力的です!
重さ | 5.5kg |
バーの長さ | 49cm |
価格 | 18,980円 |
太い木も効率よく切っていきたい人におすすめです!
おすすめ③|京セラ ES-3035

(画像引用元: 楽天市場 )
チェーンの張り調整が簡単にできる「インテンスバー」という仕組みを採用しています!
キックバック時に、ハンドガードが前に倒れるとソーチェンの回転を停止させるチェンブレーキ付なのも安心です。
重さ | 5.4kg |
バーの長さ | 35cm |
価格 | 31,043円 |
ソーチェーンの張り調整を楽にしたい人におすすめです!
薪作りでチェーンソー以外に必要な道具
薪作りで、チェーンソー以外に必要な道具は下記です。
- 道具①|林業用ヘルメット
- 道具②|防護ズボン
- 道具③|安全靴
- 道具④|斧、薪割り台
- 道具⑤|薪割り機
- 道具⑥|作業用手袋
道具①|林業用ヘルメット

画像引用元: 楽天市場
林業用ヘルメットとは目を覆うゴーグル付きのヘルメットのことで、木の粉を目に入れないために必要です。
自分の頭のサイズにフィットするものを選びましょう。
道具②|防護ズボン

画像引用元: 楽天市場
防護ズボンとはチェーンソーで怪我しないように特別な繊維で作られているズボンのことです。
防護ズボンにチェーンソーが当たった時に、繊維がチェーンソーの刃の部分に絡みついたりバーの隙間に入り込んで、その抵抗でチェーンの動きを強制的に止める仕組みになっています。
道具③|安全靴

画像引用元: 楽天市場
安全靴とは、重い物が足元に落ちて怪我をしないように足先が固くなっている靴のことです。
「チェーンソーブーツ」という名前の安全靴を選べば確実です。
その中でも足首まわりに柔軟性があるものがおすすめです。
道具④|斧

画像引用元: 楽天市場
斧とは、柄の先に厚くて重い刃を装着した刃物のことです。
チェーンソーで切った丸太を斧で割ることで、火付きを良くすることができます。
ホームセンターやネットショップで、1万円前後で購入できます。
割る丸太のサイズによって、斧を選びましょう。
- 直径15cm以上の丸太には
- 柄の長さが60cm~80cm
- 重さが2000g前後
- 直径15cm以下の丸太には
- 柄の長さが25cm~40cm
- 重さが500g前後
▼「薪割りのやり方を知りたい」方は下記をご覧ください。
道具⑤|薪割り台

画像引用元: 楽天市場
薪割り台とは、薪をのせる木製の土台のことです。
薪割り台を使うことで、土の上など柔らかい場所よりも割りやすくなりますし、地面や斧自体を痛めずに済みます。
ホームセンターやネットショップで、3千円前後で購入できます。
- キャンプ場で薪を割る場合
- 軽くて持ち手のついた持ち歩きのしやすい薪割り台
- 自宅で薪を割る場合
- 重くて衝撃に耐えやすい薪割り台
▼「薪割り台のおすすめを知りたい」方は下記をご覧ください。
道具⑥|薪割り機

画像引用元: 楽天市場
薪ストーブ用に大量に薪を割る際は、斧よりも薪割り機のほうが便利です。
薪割り機とは、ガソリンや電気の動力で薪を割る機械のことです。
薪ストーブは1日に約25kgの薪が必要と言われていますから、斧よりも薪割り機のほうが体力と時間を削減できます。
ホームセンターやネットショップで、10万円前後で購入できます。
- 硬い広葉樹の薪を割る場合:パワーがあるエンジン式で破砕力が7t以上のもの
- 柔らかい針葉樹の薪を割る場合:電動式で破砕力は5t程度でも大丈夫
▼「薪割り機のおすすめを知りたい」方は下記をご覧ください。
道具⑦|作業用手袋

画像引用元: 楽天市場
作業用手袋とは、屋外での細かい作業に適した手袋のことです。
作業用手袋を身につけることで、木の表面のトゲによる怪我や、チェーンソー・斧が手から滑り落ちるのを防止できます。
ホームセンター等で1000円前後で買えます。
滑り止め加工がされていて、指の感覚が残るサイズや厚さにすれば、細かい作業もしやすくなります。
まとめ
薪作りに欠かせないチェーンソー。
しかし、「どのチェーンソーを選べばいいかわからない」「初心者でも扱いやすいモデルはあるか」など、疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、薪作りのプロが厳選した実際の作業に役立つチェーンソーを紹介しました。
さらに、チェーンソーが活躍する具体的な場面や作業手順についても詳しく解説しました。
この記事をもとに自分にぴったりのチェーンソーを見つけ、スムーズに薪作りを始めましょう!。
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